コラム

 公開日: 2018-07-04 

美しすぎる音色世界最高峰ピアノ!スタインウェイ ベヒシュタイン ベーゼンドルファーの魅力 

世界の三大ピアノメーカーは米国の「スタインウェイ&サンズ」、ドイツの「ベヒシュタイン」、オーストリアの「べーゼンドルファー」です。各社とも150年以上の歴史を誇り、一つひとつ手作りによって世界最高峰のピアノを作りだしています。それぞれの魅力と音色の違いについてご紹介しましょう。

神々の楽器、比類なき響きと呼ばれるスタインウェイのピアノ

「スタインウェイ&サンズ」は、ドイツから米国へ移民したハインリッヒ・エンゲルト・シュタインヴェグ親子によって1853年に米国のニューヨークで設立されたピアノ会社です。

通称スタインウェイと呼ばれています。製造拠点がニューヨークとドイツのハンブルグにあり、日本にはドイツのハンブルグで生産されているピアノが主に流通しているためドイツのメーカーと思われがちですが、米国の会社です。

現在、木管楽器の大手メーカー・セルマーの傘下に入り、総合楽器製造複合体スタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツの一角を占めています。

スタインウェイのピアノは、世界で最も有名なピアノの代表格で「神々の楽器」としても知られています。その理由は、150年以上に渡り世界中の最も著名なピアニストが才能を発揮するために選んできたからです。コンサートを行うピアニストの9割以上がスタインウェイを選んでいます。

「スタインウェイはフレーム(鉄骨)で鳴らす」と表現されるのですが、ピアノの筐体そのものを響かせながらだす音色は、きらびやかな音色とパワフルさを兼ね備えています。そのため、大ホールでの演奏に適しているのです。

「スタインウェイは誰が弾いてもスタインウェイの音がする」と言われることもあるのですが、スタインウェイを弾きこなせるだけの技術や知識を身につけた方が弾くことで、別次元の素晴らしい音色を奏でると思います。

透明感のある響きで弾き手を選ぶと呼ばれるベヒシュタインのピアノ

リストやドビュッシーが絶賛したと言われる「ベヒシュタイン」は、1853年にドイツのベルリンでカール・ベヒシュタインが創業したピアノメーカーです。

創業期の日本楽器(現ヤマハ)が、河井小市氏(後の河合楽器創設者)・大橋幡岩氏(後の大橋ピアノ創設者)らを技術研修のためにベヒシュタインへ派遣し、輸入総代理店契約を結びました。その後ベヒシュタインの技術者であるシューゲル氏を日本に招き、ピアノ作りを一から学んだことが日本のピアノ製造の発展につながりました。

しかし、ベヒシュタインは第二次世界大戦によって生産拠点に壊滅的な打撃を受けたうえ、戦後も連合軍の管理下におかれました。そして、1963年に米国のボールドウィンに買収され長い間低迷しましたが、1986年にドイツ人のピアノ製作マイスターであるカール・シュルツェ氏が経営権を買い戻し、ドイツを代表する名器として復活したと言われています。

「ベヒシュタインは響板で鳴らす」と表現され、透明感のある伝統的な響きをもっています。「ピアノのストラディバリウス」とも呼ばれ、ひとつひとつの音が濁らない上品な響きと、音の立ち上がりの鋭さをもっています。そのため、演奏者の表現したい情景を自在に描けるので「ベヒシュタインは弾き手を選ぶ」とも言われます。

ウィーンの宝と呼ばれるべーゼンドルファーのピアノ

多くの王室や皇室で愛用される「ベーゼンドルファー」は、1828年オーストリアのウィーンでイグナツ・ベーゼンドルファーが創業したピアノメーカーです。

「ウインナー・トーン」の代名詞といえるベーゼンドルファーは、リストを始めブラームス、ヨハン・シュトラウス、ブゾーニといった数多くの音楽家からの助言により「至福のピアニッシモ」といわれる美しく柔らかい音色を実現し、名声を集めました。そして「ウィーンの宝」とも呼ばれています。

第二次世界大戦後は低迷し、1966年に米国のキンボールグループに買収されました。2002年にオーストリアの銀行グループが経営権を買い戻し、ウィーンのピアノメーカーとして復帰。しかし、オーストリアの銀行グループが2007年にアメリカのヘッジファンドに買収され、同年11月にヤマハへ売却。世界の名器ベーゼンドルファーは、日本のヤマハの傘下になりました。

創業から生産台数が5万台程度しかなく、生産台数が他社と比べるとわずかで「幻の名器」とも言われています。そして、「ベーゼンドルファーは箱で鳴らす」とも表現されるのですが、演奏するとピアノ全身で音楽を奏でているような感覚を覚えます。

世界最高の3大ピアノメーカーの音色の比較について

スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーの音色はどのように違うのでしょうか。

まず、スタインウェイは音の迫力と揺るがない骨太な力強さがある上に、きらびやかな響きを兼ね備えています。何より、ピアニストの指の動きがそのまま音色に表れるので、幅広いジャンルの音楽に合わせ表現が多彩です。そして、高音が低音に負けないので、大ホールの隅々まで一音一音をクリアに伝えることができます。ベヒシュタインやベーゼンドルファーより高音域がよく鳴り、軽やかで優しい音を鳴らすことができます。

ベヒシュタインは多彩な音色と繊細なニュアンスを表現できます。「ベヒシュタインサウンド」とも言われる透明感のある響きをもっており、歌うような心地よい音色です。シルクをなでるような鍵盤のタッチ感で音の立ち上がりが速いため、欲しい瞬間に欲しい音を奏でられます。スタインウェイと比べるとしっかりと力強く、ハキハキと透き通った音色です。ベーゼンドルファーと比べると音がスッキリしています。

ベーゼンドルファーは華やかで上質感ある音色で、ほかの2メーカーに比べると柔らかく丸い音色が特徴です。音の立ち上がりが遅いので、一音ずつ掴み取るような演奏が求められます。スタインウェイと比べると少し柔らかで暗めの音色です。ベヒシュタインと比べると音色は丸く柔らかいです。

ピアノの魅力を最大限に引き出し、美しい音色を奏でるために

150年以上の歴史を誇る世界最高峰のピアノの魅力を最大限に活かすためには、自らが音楽を楽しんで演奏することが重要です。同じピアノで同じ楽譜を見て弾いても演奏者によって違って聴こえるのは、ピアノを演奏する喜びや楽しみ方が人それぞれ違うからです。

また、演奏会などに出かけて世界最高峰のピアノの聴き比べをしてみることも、音楽の表現やピアノの活かし方に違いを感じられる良い機会になるでしょう。
自分なりの表現を身に着けられれば、他にはない素敵な音色が奏でられるようになります。

美しく魅力的な音色を奏でるためには、ピアノの特性を理解し最大限に活かすテクニックも必要ですが、最も大切なことは、あなた自身がピアノを演奏する喜びを感じ、生きる楽しさを実感することです。

この記事を書いたプロ

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