コラム

 公開日: 2017-04-10 

キャンペーン価格で売上が増えたのに、赤字になった!?

皆様、こんにちは。

税理士の水野です。


売上を上げたい

何か良い方法はないかなあ

…そうだ!普段より安くしてみよう!

キャンペーン価格、特別価格、○○名限定○万円

数日後

普段より売上が上がって良かった!

けど、あまり手元にお金が残らなかったなあ

という経験はありませんか?



今回は「売上が増えたのに赤字になってしまう」場合について説明したいと思います。



ここにA社があります。

このA社は商品を60円で仕入れて、100円で売っています。

年間の固定費(人件費、家賃など)が380円掛かります。

※固定費の詳しい説明は、別の機会にします。
 ここでは、単純に売上に関係なく商売をするために絶対必要な費用だと思ってください。
 なので、今回のケースでは売上がゼロでも380円が必要です。

定価で販売すると10個売れます。

そうすると利益はこうなります。


売 上  1000(100×10)
仕 入   600(60×10)
粗利益   400(1000-600)
固定費   380
利 益    20(400-380)



では、次にこの商品を定価から1割引きした特別価格90円で売ります。

特別価格なので、12個売れました。

普段であれば10個しか売れないものが12個売れたので、販売数量は20%増えましたね。

販売価格は100円のものを90円で売りましたので、10%減っています。

先程の場合に比べて、利益がいくら増えたか分かりますか?


売 上  1080(90×12)
仕 入   720(60×12)
粗利益   360(1080-720)
固定費   380
利 益   -20(360-380)



なんと利益が増えるどころか、赤字になってしまいました。

売上は80円増えています。商品も普段より2個売れています。なので値引きは成功した気分です。


これが本当にやっかいで、売上が増えているから業績が良いものと勘違いしてしまうのです。

経理がしっかりとしていれば、その月の固定費や利益も把握できているので、

今月は、売上は増えたけど、利益が減ったことに気付き、次の手を打てます。

でも、まとめて経理をしていたりすると、決算の時になって初めて気が付くのです、儲かっていないことに。

じゃあ、来年はもっと売上アップさせないと!で、また値引きをして…

こうして悪循環に陥るわけです。


どうすればこういう事態を回避できるのでしょうか?


実は本当に簡単な方法があるのです。

それは、判断の基準を「売上」から「粗利益」に変えることです。


今回のケースなら、普段は60円のものを100円で売るので、1個売れれば40円の粗利益です。

この商品が10個売れると考えると400円の粗利益になります。

この400円をベースに値段を決めていきます。


値引きをして、60円ものを90円で売るとすると、1個あたり30円の粗利益です。

1個30円の粗利益で、400円以上の粗利益を確保しようと思うと

400円÷30円=13.3 ⇒ 14個

14個売れば粗利益は420円になり、利益が増えます。


つまり、普段より4個多く売れる勝算があるのであれば値引きするべきです。


では、80円で売るなら、何個売ればいいでしょうか?


答えは20個です。


これを売上ベースで考えると、

80円×13個で1040円の売上なので、13個以上があればOK。と錯覚します。

80円で13個しか売れなかったら、大赤字ですからね。


値決めの際には、粗利益がどうなるかを考えることが大切です。

粗利益を中心に考えられるようになると会社は、次のステージに進めるようになります。



ポイント

①「売上」ではなく「粗利益」ベースで考える

この記事を書いたプロ

水野朝太郎税理士事務所 [ホームページ]

税理士 水野朝太郎

京都府京都市右京区太秦樋ノ内町1番地の3 [地図]
TEL:075-865-1111

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