コラム

 公開日: 2015-05-12 

意欲が「異常に過剰」な状態が躁(そう)状態

躁鬱(そううつ)病の「躁」ってどんな状態でしょう?

躁鬱(そううつ)病は、簡単に説明すると、「躁(そう)」と「鬱(うつ)」の状態が繰り返される病気です。
先日のブログで、「うつ病とうつ状態」について書きました。
躁状態とは鬱状態の対極にある状態です。

鬱という状態は、気分が落ち込む状態で、ある意味わかりやすい。
しかし、躁状態について、正確に認識されていない方が多いように思います。

躁状態はHappy、ニコニコ状態?

躁と鬱が一対になっているので、躁は鬱の反対、すなわち、鬱が元気がなければ、躁は元気いっぱいのように思われる方が多いですが、実はそれは正確ではありません。
躁と鬱について、何かの対象に対する敏感性から考える考えとわかりやすいです。

鬱というのは、対象に対する敏感性が鈍磨している状態。
このため何を見ても興味がなく、その結果何もしたくなかったり、何も楽しもや喜びを感じなくなります。
この状態は、一般にイメージされていることと、大きく違いはありません。

一方、躁状態は、対象に対して、過剰に敏感に反応してしまう状態。
これは必ずしもHappyな状態を意味しません。

例えば、箸が転んで、それにポジティブに敏感に反応したならば、大笑いしますが、ネガティブに敏感に反応したならば、しゃくに触って大怒りするかもしれません。
喜怒哀楽に代表される感情が何かに対して過剰に湧き上がってくる状態と考えると分かりやすい。
泣いたり怒ったり笑ったり、過剰に反応しやすくなる状態。
明るくなる人もいれば、起こりっぽくなるひと、喧嘩早くなるひと、甚だしい興奮状態になる人など様々なパターンが見られます。

意欲「過剰」な躁状態は対人関係のトラブルを起こす

多くの場合、おしゃべりになり、行動も過剰になります。
常に「異常に」気分が高揚し、精力的に動き回り、本人的には意欲にあふれ、素晴らしいアイデアが次から次にひらめいてくると感じます。
睡眠時間は短くなり、性欲・食欲は増して、満ち溢れてくる意欲を感じます。
しかし、側から見ると、注意力・集中力は落ちて、仕事の能率は落ちる場合がほとんどです。
多くの場合、家族を含めた対人関係のトラブルを引き起こします。

躁状態のときのカウンセリング

躁状態の時は、なかなかカウンセリングが難しく、自分自身では問題を感じないので、カウンセリングに来られない場合も多いです。
このような時は、とにかく、躁状態であることを認識していただくことに集中し、ご家族とともに過剰な行動に走らないようにひたすらブレーキをかけてコントロールしていくことに努めます。

躁状態に見られる行動の例を挙げると、浮気、大きな投資、過度の浪費、転職など。
その結果、対人関係上のトラブルが頻発します
そして、いつもなら思いもしない行動に走ってしまい、周りを困惑させます。
なによりも、躁状態が収まった後で、ご本人が大変後悔されたり、自己嫌悪に陥る危険性があります。

病気としての躁状態なので、説明をしてもなかなかその人自身でブレーキはききません。
家族の方とともにともに半ば、見守って、常に後ろへ引っ張って戻すといったことが必要です。

躁状態は常に鬱状態とセット

躁鬱(そううつ)病は躁と鬱が繰り返される病気。
鬱(うつ)病は病的な鬱状態が続く病気。
理論上では、躁状態のみの躁(そう)病もありますが、ほとんどないといっていいぐらい、かなり稀です。
いいかえると、躁状態は常に鬱状態とセットで起こります。
躁状態の反動で鬱状態に振り子がふられる時などは、かなり深刻な状態になります。
両極を揺れ動くのでその精神的疲労は半端ありません。
その意味でも躁状態の暴走を抑えることは重要です。



精神健康の問題に対する社会の興味関心は近年大きくなってきました。
その反面、正確でない理解の独り歩きも多く見られます。
今日は「躁(そう)」について説明しましたが、このブログでは正確な概念の説明も時々記事にしていきたいと思います。

今日の記事がどなたかの参考になれば幸いです。

コギト・ラボのホームページもどうぞ、ご参照ください⇒http://cogito-lab.com

   

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