コラム

 公開日: 2015-10-16 

こころ=意識+無意識(個人的無意識&普遍的無意識)

こころの問題を考える上で重要な概念:無意識

最近、友人関係や職場の人間関係、夫婦関係などの悩み事を主とする心因性そのもののカウンセリングのお問い合わせが増えてきました。

心因性であっても脳の機能と関連付けながらエビデンスベースでカウンセリングを行うというスタンスは変わらないのですが、脳の機能、特に認知機能そのものに着目する神経心理学カウンセリングが必ず必要とされる場合ばかりでないため、一般的なカウンセリングのご要望にもお応えできるようシステムを構築中です。

今しばらくおまちください。

ということで、今日は、悩み事などの心因性の心の問題を紐解いていく際に避けては通れない「無意識」について考えてみたいと思います。

「無意識」と一口に言っても、どのように考えるかについてはいろいろな立場があり、その分類の仕方は、軸の取り方によって様々ですが、今日は無意識の概念を作った精神分析から、簡単にご説明したいと思います。

こころ=意識+無意識・・・「無意識の発見」 フロイト

精神分析は、19世紀初頭にフロイトが創始した学派で、縦横無尽に理論と概念がありますが、特に重要な概念を一つあげると「無意識の発見」ではないかと思います。
私たちは普段何気に無意識、無意識と使っていますが、よく考えると「こころ」という実態のないものをつかもうとみんなが右往左往している19世紀初頭に「こころ」には自分自身が気付いている「意識」の部分と気付いていない「無意識」の二層構造があると提唱したことは、ある意味ぶっ飛んでいます。

精神分析の立場では、心の病は、この無意識の層に抑圧された過去の事柄が原因であると考えて、過去を掘り起こして、忘れたふりをしていたその事柄に気づく、すなわち、意識に上げることで治療していくという考え方を取ります。
過去の事柄の中でも幼少期に何らかの理由で無意識層に抑圧された事柄に焦点をあてます。

その後、抑圧されている事柄は性的な事柄であると考える理論等にたいして弟子た達から意義が唱えられ、様々な改変が加えられ、幾つかの学派に分かれて現在に至ります。


こころ=意識+無意識(個人的無意識+普遍的無意識) ユング

弟子の学派のひとつが、J.ユングが始めた分析心理学、いわゆる分析心理学です。
日本では、河合隼雄教授が箱庭療法とともに大々的に導入されて、今では日本の主流のひとつとなりました。
スクールカウンセラーの制度の創設にトップに立った人といえば、日本でのその影響力が計り知れると思います。

ユングは多くの観点で師匠であるフロイトと袂を分かちました。

前述の無意識については、ユング心理学ではさらに個人的な経験からできた「個人的無意識」と民族、人種を超えて人類共通に持っている「普遍的無意識」に分かれると考えます。

例えば、男運が悪いと嘆く女性のその原因が幼少期の父親との関係に端を発していて、その事柄が無意識に抑圧されていたならば、それは個人的な経験が抑圧されている無意識なのでその無意識を「個人的無意識」と考えます。

一方、ほとんどの民族の共通する死に対する恐怖や太陽に対する畏怖は「普遍的無意識」の中に色々なシンボルとして存在しています。
これは、神話に見られる様々な共通性にも表れていて、例えば、世界の始まりがドロドロであるという話は旧約聖書やギリシャ神話、古事記にもみられて、そういった「カオス(混沌)」のシンボルは普遍的無意識にあると考えます。
箱庭療法ではそのような普遍的無意識にある象徴の表現にも着目します。

カウンセリングで無意識をどのように扱うかについて、フロイトとユングでは違いがあります。
フロイトは過去を掘り起こして無意識の抑圧を明らかにしますが、ユングは、無意識から発されている未来へのヒントを読み取る観点を大切にしています。
一口に言うとフロイトは視点を過去に向けて、ユングは視点を未来に向けています。
例えば夢分析の場合、フロイトは過去を知るためにヒントを探っていきますが、ユングは未来を知るために普遍的なメッセージを読み取っていこうとします。

無意識の理論をカウンセリングの実践に活用するために

無意識の話は私的に心理学の醍醐味を感じていて、ついつい前置きが長くなりました。
カウンセリングを行う際にこのような「無意識」の概念を知っておくことは基本で、私もこのような基礎理論はベースに持ちっています。

ただ理論と実践が大切というように、これらの理論そのままでは実際に事例に対応することは難しい。
なぜならこれらの理論は西洋の文化をベースのしていますし、また時代も大きく変わりました。
何より科学が飛躍的に発展した現代にあって、心についての科学的知見、すなわち脳科学の知見を使わない手はありません。
私はこのような考え方のもと、基礎基本の自分なりに応用的に変容させて、さらに言えば個々のクライエントの方のケースに合わせて、考えていくようにしています。
何というか、スライムのような自由自在なカウンセラーでありたいと思っています。

またまた長くなってしまいましたので、私のカウンセリングについては、また機会を改めてまとめてみます。

今日の記事がどなたかのご参考になれば幸いです。

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余談ですが、フロイトは初期の研究で:失語症や脳性麻痺の論文を発表していて、現在でいうところの神経心理学の研究をしていました。
精神分析と脳科学というと両極の様に考える方も多いですが、精神分析の創始者であるフロイトが100年前に脳科学に着目していたことはとても興味深いです。
こころは脳からアプローチ可能という現在の流れを予見していたのかもしれませんね。
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