コラム

2015-09-02

バッファゾーンの大切さ~非行や不登校の子の居場所について

鎌倉市図書館のツイートが話題になっています。学校に行くのがつらい子どもは図書館においで、っていう呼びかけは、賛否両論まきおこしています。このツイートについて、私が考えていることを書きます。

子どもの場所とは


子どもの居場所という言葉が言われだして久しいです。各地にいろんな居場所が作られています。どこの居場所もたいへんな運営状況の中多くの子どもを受け入れています。さきほど政府から出された居場所づくりの計画も、行き先がない子どもが安心していられる場所を作るために出されたものです。不登校の子どものための居場所づくりも盛んにおこなわれています。
子どもが安心できる居場所って、どんなところでしょう。一番大切なのは、その子が飾らない自分を出せるところではないかと思うんです。大人や友達から、自分のできてないところのダメ出しされたり、こうしなさいああしなさいととやかく言われたりしない、素の自分でいられるところ。素の自分を受け入れてくれるところ。誰からも干渉されない。これが子どもにとっての居場所になるんじゃないかと思います。

バッファゾーンってご存知ですか?


バッファゾーンという言葉をご存知ですか?緩衝地帯という、二つの違った地帯が重なった、どちらでもある場所です。最近子どものバッファゾーンがなくなりつつあると考えています。昔非行少年はゲームセンターやカラオケボックスなどに入り浸っていました。そこは、大人が管理する学校や家庭といった普通の社会と、大人の管理が届かない裏社会とのバッファゾーンでした。「そこにいけば必ずいる」場所でした。

バッファゾーンがなくなってきている


今そんなバッファゾーンはどんどんなくなっていっています。ゲームセンターもカラオケボックスも深夜立ち入りが厳しく規制され、コンビニの前も公園も、たまっていたら通報されるか大人に声掛けされます。このバッファゾーンがなくなったら、大人が管理する社会にいられない子どもが行けるところは裏社会しかなくなります。実際、今のヤンキーの子たちは、「理解ある」大人が借りてあげてる部屋や「理解ある」大人がやってる居酒屋などにたまっています。そんなところにいられたら、大人は子どもがやってることを把握することができないんですね。それで、タバコ酒からはじまって薬物に進んでいく。今までもバッファゾーンで薬物等はありましたが、大人が把握できやすかったので、対策もすぐにできたんです。でも今は、子どもがアンダーグラウンドに潜ってしまっている。
不登校の子も同じです。昔は昼に街中を歩いていても何も言われなかった。でも今は、大人が声をかけることが奨励されていっぱい声をかけられる。「学校行きや」って。学校にいけないからここにいるのにそんな声掛けされたら。

バッファゾーンとしての図書館


そんななか、鎌倉市図書館が、居場所として図書館もありますよというメッセージを出したことは、とても意義があることです。図書館は基本、一人で本を読むところです。誰からも干渉されないことが前提です。居場所としては最高の場所かもしれませんね。ですので、図書館で子どもが一人で本を読んでいても、話しかけたりしないであげてほしいんです。そっとしておいてあげてほしい。
大人の管理がない子どもの居場所。大人が新たに作る居場所ももちろん大事ですが。昔からあるバッファゾーンを残しておくことも、また考えてほしいんです。地域に地域の人が目にすることができる場所に、子どもが安心してたまれるような、そんな世の中になればと思います。

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