不登校など非行で悩める親子と共に歩む子育て支援のプロ
コラム
公開日: 2016-03-22
できない子をできる子にするプロ
新聞にはさまっている塾のチラシを見ると,今の時期は「○○高校合格者○名!!」とか「合格者の声」とか,うれしそうな笑顔の子どもと先生の顔写真とともに書いてあります。この子がんばったんだなあ,すごいなあと思いながら,指導された先生のご苦労に思いをはせます。一方で,思う学校に行けなかったこの子とも思います。行きたい学校に行きたくてがんばったんだろうなあ,でもダメだったんだなあ。よその子のことですが,いやだからこそ,受験の悲喜こもごもを思います。
そういったチラシに書かれている「○○高校」とか「△△中学校」って,入試が難しい,いわゆる難関といわれる学校ばかりですよね。そういった学校の入試に合格するには,塾での勉強は欠かせないでしょう。では,塾は,そういった入試の難しい学校に行く人だけのものでしょうか。そうではありませんね。学校の勉強についていけない子,遅れを取ってしまった子にとっても,塾は必要です。
進学塾の先生って
さて。難関な学校を受ける子のための塾の先生って,いわば「プロ」が多いんですね。つまり,学生などのバイトとかではなくて,その指導を生業にしている「プロ」。教える教科の受験についてはなんでも知っているぐらいの知識と,合格させるための教えるノウハウを持っています。私が先生をしていた塾は,私ともう一人の先生以外は全員受験の「プロ」でした。もうね。すごいですよ。過去10年以上の入試問題は完璧に頭に入っていますし,問題の解き方のありとあらゆる指導方法を駆使して教えられます。毎日のように入試の勉強会をして,みんなが切磋琢磨しています。私はその姿に圧倒されました。ここまでやるのかと。ここまでやらなきゃ子どもを学校にいれられないのかと。
補習塾の先生って
一方で,いわゆる「できない子」を教える先生はどうでしょうか。そういった指導をやりますと書いてある塾のチラシを見ると,中には熟練した先生もいるんでしょうけど,どうも学生とかのバイト先生が主流ですね。たぶん,教える「内容」が簡単だから,簡単なことがわかっていたら教えることもできるだろうと思ってるんでしょうね。たしかに,「できない子」が取り組む問題などは,ちょっと勉強できる人なら簡単にできるものばかりです。
「できない子」指導に必要なこと
しかし,難しい入試のための勉強でも同じですが,勉強を教えるためには,その「内容」はわかっていて当然,それ以上に「どう教えるか」という指導方法を持っていることの方がはるかに大切です。また,進学塾では,面倒見がいい塾もあるんでしょうけど,子どもはやる気を持って入ってくるのが前提です。京都の有名な進学塾の玄関には「闘魂なき者は学園を去れ」なんて看板もあります。「やる気がない」からやめさせられた,って話もよく聞きます。それに加えて,ある程度勉強ができる,勉強するだろう,勉強するということがわかっている子が行くところです。しかし,「できない子」指導は,多くの場合,やる気を持ってもらうところから始まります。やる気がないならやめろ,なら「できない子」指導の最初から何もやってないことになります。そして,勉強するとはどういうことかという基本的なところも指導できなければなりません。「できない子」指導は,思うよりもとても難しいんです。私は少年院や学校で「できない子」指導が長かったので,そういう指導のノウハウはたくさんあります。
もちろん,学生バイトだからダメというわけではありません。今大手の塾では教えるマニュアルを完備していますので,経験も知識もない先生でもそれなりには対応できるようになっています。ただ,「教える」って,マニュアルにできないこともたくさんあるんです。結局,そのバイト先生のプロとしての力量に左右される部分が大きくなってしまうんですね。
塾選びのポイント
もし「できない子」を指導してくれる先生をお探しなら,大手の塾ももちろんいいですが,そういう子の指導を長くやっている先生がいる塾なのかも,大きなポイントとして考えることをおすすめします。
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