コラム

2016-03-31

思春期の子ども受け入れること~私の受容的態度

困っています。法律の質問。私は肉をやめました
先日Yahoo知恵袋に寄せられた質問に回答しました。思春期の子どもが「肉や魚を食べないようにしたい」と思っていますが,親から反対されているという内容です。こういう肉食拒否は思春期の子どもによくあることです。そして肉食拒否の子どもと親などの大人との争いがたびたび起こっています。この質問をした子どもは,法律などを利用して親を脅して,肉食拒否をしようとしています。それに対して私は,法律は人を脅すためのものではないこと,法的手段を使ってもその子の思いはとげられないだろうこと,親ときちんと話し合いをすること,を回答に書きました。

肉食拒否は頭から否定はできない


たぶんこの子にとっては,肉食をするというのは罪悪だ,ぐらいに思いこんでいるのでしょうね。思春期の子どもは,世間が理解できない思い込みを持つものです。もちろん,世間にとっては理解できないですが理にはかなっていることを思い込むこともありますので,すぐに否定してしまうのはよくありません。そもそも肉食を拒否するというのは,ヒンズー教などの宗教の教義になっていますし栄養学者で支持している人もいますので,あながちすぐには否定できません。

肉食拒否の是非はいわない


私がこの回答をしたときの基本姿勢としては,この子の肉食拒否についての是非はいわないことです。私は回答で,肉食を拒否してはいけませんともしていいですよとも言っていません。むしろ肯定的ともとれる書き方をしています。ただ,人を脅して言うことをきかせるとか,施設や刑務所に入ろうとすることだけ否定しています。実はここが大事なんです。思春期の子どもの思い込みを頭から否定したら,もうほかのことも含めて何を言っても反発するだけになってしまいます。そうなったら,いくらこちらが「話してね」って言っても何も話してはくれません。

肯定だけが受容ではない


私は本人の書き込みや私やほかの人とのやり取りを見て,この子は自分の肉食拒否をほかの人に受け入れてもらいたいんだなと思いました。受け入れてもらうというのは,肯定してもらうことだけではありません。この人は自分とは違う考えだなと思っても,自分ときちんと向き合ってくれたなと思えたら,それで受け入れてもらえたと思えます。受容的態度とは子どものいうことを肯定することだけではありません。大切なのは,子どものいうことや考えを頭から否定しないということです。まずは大人の常識などを横に置いて,子どもの言い分を素直に聞くこと。それから「世の中はそうなっている」ではなく自分が納得できることを話す。そうやってお互いが納得できるまで話し合う。たとえそれで,自分が今まで常識だと思っていたことと違う結論になっても,素直に受け入れる。それが受容的態度というものではないかと考えています。

私ならこうする


ちなみに,私がこの子ときちんと向き合えるとしたら,どうして肉食拒否をしようと思ったのかを話し合いたいと思います。そのとき,その子の肉食拒否の考えが正しいのか間違っているのかの議論を極力避けるようにします。おそらくこの子に何か心配ごとがあって,それで肉食を拒否しようと思ったのでしょう。その心配ごとを探るようにします。この子が貼ったリンクには,肉を食べるとキレやすくなったり健康によくなかったりという論が展開されています。そこから考えると,この子は自分がキレやすくなったり体が不調になったりを心配しているのかなと思います。ですのでまずその心配をなくしてあげて,あらためて肉食拒否を考えようというルートをとることになります。これも受容的な態度です。もちろんキレやすいことや体調のことで心配しているかもというのは,限られた情報の中での推測にすぎません。ほんとうのところは本人からきちんと話を聞いたり親御さんから話を聞いたりして,この子のほんとうの心配ごとを探っていくことになります。

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