コラム

 公開日: 2012-12-05 

新しい在留資格「技能実習」制度  ~労働法の遵守~

新しい在留資格「技能実習」制度  ~労働法の遵守~


京都や滋賀、大阪など関西圏に拠点を置く中小企業様が、中国やベトナムを中心とした外国人の技能実習制度を活用した場合、日本人労働者と同様に外国人技能実習生も労働基準関係法令が適用されますので、外国人技能実習生に対して労働条件を守らなければなりません。

行政書士などの専門家が、外国人技能実習生に労働法などの講義をすることが義務付けられていますが、これは外国人技能実習生の皆様が労働者として保護されていることを認識してもらうと同時に、企業様の義務を再認識してもらうことを目的としています。

外国人技能実習生の場合に特にありがちな違反例を、厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督局のホームページを参考にしながら、検証してみます。

■ 中間搾取の禁止 (労働基準法第6条)
何人も、法律で許される場合の他、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
・ 違反例
管理団体が自ら管理する銀行口座に、事業主に技能実習生の賃金の一部を管理費用の名目として、振り込ませていた。

■ 賠償予定の禁止 (労働基準法第16条)
労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償予定する契約は禁止される。
・ 違反例
会社の備品を壊したら罰金として10万円支払う契約をあらかじめさせられた。
・ 説明
損害賠償の金額をあらかじめ約定せず、労働者の責任により現実に発生した損害について請求することは認められています。

■ 前借金相殺の禁止 (労働基準法第17条)
使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金と相殺してはならない。
・ 説明
労働契約締結の際に労働者が「合意又は同意」した場合であっても、使用者は前借金とその他労働することを条件とする労働者に対する前貸し債権と賃金との相殺は禁止されています。

■ 強制貯金の禁止 (労働基準法第18条)
労働契約に付随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をすることを強制貯金といい、使用者がこれをすることは禁止されている。
・ 違反例
事業主が、労働者名義の銀行口座に賃金の一部を預け入れ、その通帳を事業主が保管していた。

■ 解雇の制限 (労働基準法第19条)
使用者は、次の2つの場合には労働者を解雇してはならない。
① 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間
② 産前産後の女性が休業する期間及びその後30日間
・ 違反例
業務上の負傷が原因で休業し、働ける状態になって出勤したところ、即時解雇された。
・ 説明
外国人技能実習生とは最初10~11ヶ月の労働契約を締結し、基礎二級合格を停止条件として更に2年の労働契約を締結することがほとんどであり、これは期限の定めのある労働契約となり、やむを得ない事由がない限り、契約期間内に解雇することは出来ません。

■ 賃金の支払い (労働基準法第24条)
賃金は、①通貨で、②労働者に対し直接、③全額を、④各月に1回以上、⑤一定期日を定めて、支払われなければならない。
・ 説明
税金や社会保険料等法令で定められているものや、寮費や食費等労使協定で定められたものは、賃金から控除することができますが、具体的な使途を明らかにしていないものは控除することはできません。

■ 制裁規定の制限 (労働基準法第91条)
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は1回の事案に対しては平均賃金の1日分の半額を超え、1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を越えてはならない。
・ 違反例
1時間仕事に遅刻したら、罰金として1日分の賃金額が減額された。

■ 最低賃金法(第4条)
賃金額は、最低賃金額以上でなければならない。
・ 説明
たとえ、最低賃金額を下回る賃金を定めた労働契約を締結しても、その賃金額は無効となり、支払われる賃金額は最低賃金額になります。
・ 違反例
地域別最低賃金が時間額750円であるにもかかわらず、技能実習生との間に時間額500円とする労働契約を締結し、その額しか支払はなかった。

■ 労働安全衛生法
・ 危険等の防止(第20条)
事業者は、労働者の危険又は健康障害等を防止するために、労働衛生法で定めたれた措置を講じなければならない。
・ 安全衛生教育(第59条)
事業者は、労働者を雇い入れ又は労働者の作業内容を変更した場合には、従事する業務に関する安全衛生教育を実施しなければならない。 また、危険有害業務で、法令に定めるものに労働者を従事させる場合には、特別教育を実施しなければならない。
・ 就業制限(第61条)
事業者は、特定の危険業務には、免許など資格を有する労働者以外を従事させてはならない。
・ 健康診断(第66条)
事業者は、労働者を雇い入れた時及び一定期間(1年又は6カ月以内)ごとに健康診断を実施しなければならない。

労働時間などについては、次回ご案内致します。



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