コラム

2016-03-09

マンション管理費滞納の時効消滅「5年説」、「10年説」

マンション管理費の時効消滅

マンション管理費の滞納額が数百万にもなっている場合がありますが、ここまで高額になるということは数か月の滞納ではなく年単位の長期滞納になっているものです。
長期に渡る滞納で問題になることがあるのが「時効」です。
今日は、マンション管理費滞納の時効について、お話ししたいと思います。

実は、マンション管理費の請求権の時効はしっかり決まっていません。
しかし、平成16年にとある裁判で5年という判決が出たことで、今のところこれを採用した考え方がとられています。
その判例がでるまでは10年とされており、5年の判決がでたその裁判は新聞やニュースでも取り上げられ、業界を騒がせました。

なぜ、「5年説」、「10年説」と別れる考え方があったのでしょうか。
それは、マンション管理費請求権という債権が時効で定めるところのどの債権にあたるのかということが争点になっていたからです。

民法169条には「年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権」(このような債権を「定期給付債権」と言います)ということが記されているのですが、マンション管理費の請求権がこれにあたるのか・・・、これを肯定すると「5年説」、否定すると一般の債権と同じ「10年説」となるそうなのです。

なんだか分りにくいですが、要は「管理費は毎月決まった額で支払われるものであるか否か」ということです。
結局裁判では、毎月決まった金額で管理費が支払われるということで、管理費の請求権は民法169条の「定期給付債権」にあたるとして、時効は5年となりました。

しかしながら、管理費は、共有部分などの維持管理など、その年々で経費は変化するもので、本来はどの年も一定ではありません。
なので、個人的には時効は10年じゃないのかな・・・と思います。
とは言っても、裁判所がそういった判決を出してしまったので、マンション管理費請求権の時効は5年ということになります。

しかしながら、管理組合側にとっては、5年の時効は非常に短いと感じるでしょう。
期間内に回収を図る試みや「時効中断」の手続きなど、普段から専門家を交えてしっかりと対応をしておかなければなりません。
特に管理会社へ管理運営を委託していない、いわゆる自主管理マンションは、こういった法律知識や手続きについては乏しい傾向にあるため注意は必要です。

一方、滞納者側にとっては、時効が短くなったことでメリットがあるようにも思いますが、時効による債権の消滅は法律上当然にして債権が消滅するものではなく、滞納者が時効の利益を受けたいと管理組合側に意志表示(時効の援用)して初めて債権が消滅します。
何もしなで、滞納分がチャラになるということではないということを知っておいてください。

以上、「マンション管理費滞納の時効消滅「5年説」、「10年説」」のお話しでした。

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