コラム

2016-03-15

定期借地権付き住宅における任意売却の注意点

定期借地権付き住宅の任意売却

借地権の付いたマイホームがあるのをご存知でしょうか。
定期借地権付き住宅です。
関西圏の中でも京都は比較的この借地権のついた不動産が多くあるように思います。

定期借地権付き住宅とは土地は購入するのではなく、土地を長期間借り、建物だけを所有すると言う住宅です。

この定期借地権住宅のメリットは購入するよりも比較的安くマイホームを購入できるという点にあります。
積水ハウスや大和ハウスなどのハウスメーカーの建てる家を格安で購入できるということで非常に人気を集めています。

ところで、この定期借地権付き住宅は任意売却することは可能なのでしょうか・・・。
一般的な任意売却とは権利関係が異なるため、疑問に思われている方が多くいらっしゃいますが、任意売却は可能です。

ただ、注意をしておかなければならない点がいくつかあります。

◆地主さんにも売却の同意をもらうこと

それは、住宅ローンを組んでいる銀行と合わせて、地主さんも利害関係人の一人として、売却の同意をもらっておかなければならないことが多くあります。
それは、住宅を購入する際に、地主さんと取り交わした定期借地権の契約書に記載されているのですが、建物を第三者に譲渡する場合は土地所有者の承諾をもらわなければならないという文言が入っていることがあるのです。
もし、同意を得ることなく建物を第三者に譲渡してしまうと、契約違反となりなり、新所有者は土地を利用することができなくなる場合があります。
また、購入者が銀行のローンを使う場合、必ず銀行は土地所有者の同意があることを条件にしますし、借地権の登記を入れる際にも、必ず土地所有者の協力が必要になってくるのです。

◆滞納している借地料は債権者がひとまず支払ってくれている場合

定期借地権付き住宅は住宅ローンとは別に地主さんに借地料を支払うことになる訳ですが、実はこの借地料の滞納が生じると契約違反になり、定期借地契約が解除されてしまうことがあるのです。
しかし、任意売却をされる方の多くは、銀行に支払うローンと合わせて借地料も滞納しているものです。
もしこの滞納によって契約が地主さんによって解除されてしまえば、所有者のみならず担保権者である債権者(銀行)も損失を被ってしまいます。
なぜなら、契約解除となれば、新所有者は土地を利用する権利がなくなり、事実上建物に住むことが出来なくなります。
これは不動産担保価値を減少させることを意味し、債権者としても回収できる金額が減ってしまうということなのです。
そこで、債権者は定期賃貸借契約が解除されるのを防ぐため、新しい所有者が決まるまでの間、借地料を一旦立て替えてくれます。
最終的には任意売却の価格の中にそれを経費として組み込み、立て替えてくれた分だけ住宅ローンの残債務に加算されることになります。

◆保証金の取り扱いについて

定期借地権契約を組む際、ほとんどのケースで保証金を地主さんに支払わなければなりません。一般的なハウスメーカーで扱う定期借地契約ではその額数百万もの高額なものになることが多くあります。
この保証金は借地契約期間が終了すると、賃貸人に変化しなければならない預り金になのですが、その取扱いについて注意が必要なのです。
特に自己破産も合わせて検討される場合は注意が必要です。
保証金を次の新所有者に引き継がせたり、解約と同時に返戻金として返してもらう場合があるのですが、自己破産をする場合、その保証金が破産財団のものとなり、保証金返還請求をうける場合があるのです。
ですので、定期賃貸借契約に記載されている中途解約に関する取り決めがどのようにされているのかをしっかりと確認しておく必要がります。
特にこのあたりのことは、法律に大きく関係してくることなので、法律に詳しい専門家に相談しながら任意売却を進めることが必要です。

以上、「定期借地権付き住宅における任意売却の注意点」のお話しをさせて頂きました。

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