コラム

 公開日: 2011-02-26  最終更新日: 2011-04-01

税制を利用した生命保険の入り方


 今回は生命保険の課税方法の違いを利用した税金対策を考えてみましょう。
まず、生命保険のかけ方、もらい方による課税方法の基本を押さえておきましょう。
なお、わかりやすくするために相続人となるのは「お父さん」だという前提で話を進めていきます。

1,相続税課税パターン(お父さんが自分で自分に保険を掛けた場合)
  被保険者「お父さん」、受取人「子供」、保険料負担者「お父さん」

2,所得税の一時所得課税パターン(子供がお父さんに保険を掛けた場合)
  被保険者「お父さん」、受取人「子供」、保険料負担者「子供」

3,贈与税課税パターン(お母さんが掛けた保険を子供が貰う場合)
  被保険者「お父さん」、受取人「子供」、保険料負担者「お母さん」

となります。いずれもお父さんが亡くなった場合に保険金を受け取るのは子供だということは変わらないのですが、問題は誰が保険料を負担していたかです。


1,相続税パターン(お父さんが自分で自分に保険を掛けた場合)

 1番目のパターンだと生命保険の受取金は相続財産となります。この方法によると相続税の非課税枠が適用されて、相続税の支払いを減らす事が出来ます。もっともポピュラーな加入方法であり、多くの方が相続税の納税資金の準備と非課税枠利用のためにこのパターンでの加入をされています。
 ちなみに生命保険金による相続税の非課税枠は

    「500万円×法定相続人の数」となります。

なお、この法定相続人として認められる相続人には、一定の制限が設けられる予定です。


2,所得税の一時所得課税パターン(子供がお父さんに保険を掛けた場合)

 2番目の課税方法の利用方法については、以外と知られていないのですが、使いようによってはかなりの税金対策となります。
 たとえば、相続財産が6億円あって、相続税を試算してみると2億円にもなってしまうような場合だと、数千万円の非課税枠を利用したところで、節税効果は僅かでしかないのも事実です。さらに、非課税枠を超える生命保険金は、その全額が相続税の課税対象となります。
 このような場合は生命保険金をあえて相続財産とはせずに一時所得とすることで、課税所得を圧縮することが可能です。
 つまり子供が父に生命保険をかければ良いのです。

 一時所得の計算方法は

(受け取った生命保険金-支払った保険料-50万円)÷2

 となり、課税所得がかなり圧縮されます。生命保険に加入後すぐに相続が発生したとしても、一時所得は1/2課税なので、所得税等の最大税率50%の半分、25%となります。
 支払保険料が多額になった場合には、所得税すら発生しない場合もあります。

 相続税の最大税率は50%ですので、相続財産が多い場合には生命保険金を相続財産とはせずに、一時所得としたほうが有利ということになります。
(相続税率については今年度の改正で最大55%となることが予定されています)

 このパターンの利用方法として、生命保険の保険料の全部もしくは一部をお父さんからから子供へ贈与して頂く場合が多いです。
 これにより、お父さんの相続財産を減らし、また生命保険を利用することにより相続税の納税資金の準備をするという一石二鳥の効果を得ることが出来ます。
 もちろん、生命保険料の贈与は110万円の贈与税の非課税枠を利用することは言うまでもありません。

3,贈与税課税パターン(お母さんが掛けた保険を子供が貰う場合)

 最近このパターンを目にすることはありませんが、以前は時々見かけた事があり、その場合はすぐに受取人を変更するように保険会社に申し出をしてもらっていました。
 このパターンは受け取った生命保険金がそのまま贈与税の課税対象となり、かなり大きな税負担をしなければならなくなります。数ある税金の中で、最大の課税負担率となるのが贈与税です。もしこのパターンで保険に加入されている方がおられるのなら、すぐに保険会社に連絡の上、見直すようにして下さい。

 生命保険は長期間にわたり支払っていく、結構高いお買い物です。加入した時には理解しているつもりでも年月が経てばどんな保険に加入していたかがわからなくなっているのが通常です。
 5年程度の期間を目安として、一度保険の見直しをされることをおすすめします。 


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