コラム

 公開日: 2014-04-25  最終更新日: 2014-07-03

アウトレットモールとは


アウトレットモール

これはどこかのリゾート地の写真ではありません。
よく見るとGUCCIやYves saint Laurent(イブサンローラン)など高級ブランドの看板も。
一見高級リゾートのショッピングアーケードにロマンティックな夕暮れ時が訪れたような光景です。

でも実はこれ、今話題のアウトレットモールなのです。
工場で出たB品やシーズンをまたいで売れ残った商品など、いわゆる訳あり商品を思い切りお買い得価格で買うことができるという、今最もHOTなスポットです。

つい最近滋賀県の竜王にもオープンし、様々なメディアで取り上げられていましたが、はたして本当のところどうなのでしょう。私たち消費者にとって夢のようなお買い物天国なのでしょうか。
このあたりでもう一度検証する必要があるのではないかなと思わずにいられません。

まず、アウトレットモールには3つの立場が関わっています。1つは私たち圧倒的多数の消費者。2つめはそこに出店するショップ、すなわちアパレルを中心としたメーカーです。
そして最後に忘れてはいけないのが、それを運営する会社とその関連商社。
この3つめの存在は、直接私たちには見えてきませんので、あまり気にならないと思いますが、実はこの3つめの立場がアウトレットモールの意味を大きく決定づけていることを忘れてはいけません。

では、この3つのそれぞれの立場からアウトレットモールとはどういうものかを考えてみましょう。

1番目は私たち消費者。
最大のメリットは「安さ」。普段はなかなか手が出ない百貨店の高級ブランドが80%~30%OFFで買うことができます。B品といっても着ること自体に問題のあるようなものはまずありませんし、シーズン遅れといっても、もともと最先端の新商品ばかりを着ているわけではないので全く問題はありません。
その上、店舗自体の面積が百貨店や路面店に比べ圧倒的に広いので、品揃え自体もかなり豊富です。
アウトレットモール創生期のようにサイズが揃っていないということもかなり減ってきましたし、店頭での人気商品以外はほとんどが揃っています。逆にサイズが揃っていない商品はその分割引率が大きいので、たまたまサイズが合えばアウトレット商品のメリットを最大限に生かせるでしょう。
しかも、ただでさえ安いアウトレットモールにもバーゲンやSALEが存在しますので、普段よりさらに割引率が上がります。
こうして考えるとメリットばかりのように思われ、それこそ「買い物天国」状態ですが、落とし穴もいくつかあることを覚えていなければなりません。
まず、最も気をつけなければいけないのが、アウトレットモール用に作られた商品が存在するということ。
これはどういうことかというと、こんなにも集客力のあるアウトレットモールで本来のアウトレット商品だけを売るのはもったいないという考え方がメーカー側にあるということです。
本来のアウトレット商品に紛れて、あたかもアウトレットのような価格の商品を最初から低いコストで造り一緒に売ってしまおうという魂胆です。つまりプロパーと変わらない利益率が稼げるわけです。
そのブランドのファンであれば、常に正規店舗で商品のラインナップを把握していますから、アウトレットモールでしか見たことのない商品は明らかに危険だとわかりますが、「アウトレットだからこんなブランドも買ってみたい」と思って入ったお客は完全にカモとなってしまいますので注意が必要です。
もう一つ、最近の新しいアウトレットモールのメリットは、いわゆるファッションアイテムだけでなく、生活雑貨やホビー商品も豊富に揃いだしたことです。インテリア、キッチン用品、カメラ、アウトドア用品など流行のファッションにあまり興味のない人にも楽しめるショップが増えてきました。

次にショップ(メーカー)から見た場合。
まず最大のメリットは在庫整理。いくらすばらしい商品を作っても売れ残ってしまっては何もなりませんから、とにかく売り切ることがメーカーにとって最大目標。通常国内のアパレルメーカーは25%前後のコストで商品を作ることを目標としていますので、仮に半額の50%OFFで売ったとしても原価の倍で売れたわけですから25%の利益があったことになります。どうしても売れなかった商品を80%OFFで原価割れを承知で売ったとしても、売れ残って不良在庫となってしまうよりはずっとマシということになるのです。
しかも、アウトレットモールの場合ほとんどが直営ですから問屋や百貨店へのマージンも発生しません。丸取りです。
さらに目に見えない効果は、いままでなかなか手を出せなかったブランドがアウトレットなら手にはいることから、いわゆる「お試し商品」的な性格を持ち、新しい顧客として販路拡大に効果があります。



そして一般的によくわからないのが3つめの運営会社と関連商社。
ここにはどんなメリットがあるのでしょう。
よく言われるのが運営会社の不動産運営的メリット。
通常アウトレットモールは、正規店舗とのバッティングを避ける意味もあり、市街地の中心部から離れた郊外にあります。つまり、地価の安いところです。もともとそんなところに不動産価値はほとんどなかったわけですからそこに比較的安いコストの建物を建て、圧倒的な集客力を背景に家賃収入を得るわけです。自治体にとっても今まで山林や空き地だったところに固定資産税や法人税が発生し、周辺も活性化するわけですからこんなに結構なことはありません。
これはビジネスに関心のある人なら誰でもわかる話。
もう一つわかりにくい関連商社という存在。
ここでいう関連商社というのは、運営会社の企業グループ内にある繊維系商社のこと。
通常、アウトレットモールを運営する住友や三井などのグループには不動産関連の会社と繊維系商社の両方が存在します。この繊維系商社というのが一般的にはよくわかりませんが、簡単に言うと「アパレル企業の下請けであり金貸し」です。
といっても実際に資金を融資するのではなく、商品を作るためのノウハウや工場背景、原料を提供し、それにかかる費用を商品が売れると見込んで融通してくれるのです。
国内のアパレルでこういった商社の手を借りていないところはあまりありません。なぜならアパレル企業は持っているブランドが評判になり、拡大していくときでも商品を作ってからお客さんからお金をもらえるまでには約半年ものタイムラグがあり、十分な資金がないと次に売る商品を作ることができませんので、いくら調子のいいブランドでもこういった繊維系商社のお世話になるのです。
ところがこの不景気の世の中、繊維系商社も安心してアパレル企業のバックアップをするために、そのアパレル企業の業績を上げ、資金力を確保し、キャッシュフローを改善しなければなりません。そのアパレル企業が倒産でもしてしまったら協力している分が回収できなくなるからです。
そこで考え出したのが自分たちの関わっているアパレル企業を集め場所を確保することで、アパレル企業の在庫整理をすすめ、収益力アップを図ろうということなのです。

こうしてみると3者3様のメリットがあり、良いことずくめのようなアウトレットモールですが、反対にデメリットはないのでしょうか。
そのデメリットを考えることがこれからのアパレル業界を考える大きな要素であると私は思っています。

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