コラム

 公開日: 2015-02-21 

京都芸術デザイン専門学校で就活講義


2月19日、京都芸術デザイン専門学校のグラフィックデザインを専攻する学生たちに、デザイナーになるために就活することについていろいろと話をしてきました。
この学校からは今まで60人以上の学生がうちの事務所にインターンとして勉強に来ていますし、うちのスタッフの中にも2名この学校の卒業生がいます。そういうこともあって教育課程の審議委員も務めさせていただいていますが、今回は就活を迎える学生たちにハッパをかける意味で、約3時間いろいろな話をしてきました。

約60人の学生の前で何を話そうかと迷いましたが、一応学校の方から希望もありましたので、まずはうちの事務所の業務内容について少し話をしました。事前にうちのホームページを見ておくように伝達されていましたので、ホームページの内容からだいたいのことはつかんでいてくれた学生が多かったのですが、特に業務内容の広さに興味を持っているようでした。

その後、私がどういうふうにしてデザイナーになり、独立して事務所を持つようになったかを簡単に説明しました。今とは時代が全く違うのであまり参考にはならないとは思いますが、実際に独立した人にその経験談を聞くという機会があまりないので、熱心に聞いてくれる学生が多かったのが印象的です。

さらにグラフィックデザインの業界がこの4,50年の間にどんなふうに変化し、発展してきたかを説明しました。アナログの時代にも前期と後期があることや、デジタル化されてから20年以上の年月が経ち、どの様な変化が起こったか、さらにWEBデザインの出現でどんなことが起こり、今後はどの様な時代になっていくのか。そういうことを私なりの意見を交え話してみました。
その流れの中でインテリアやファッション、プロダクト、インダストリアルなど各ジャンルのデザインとグラフィックデザインの関わり方を図に描いて説明し、グラフィックデザイナーとWEBデザイナーだけが唯一「売るための商品をデザインしないデザイナー」だということを説明しました。
グラフィックデザイナーは他のジャンルのデザイナーがデザインした「売るための商品」を少しでも売るためのお手伝いをしているに過ぎないということをわかって欲しかったからです。
例えばインテリアやファッションのデザイナーは「売るための商品」をデザインしています。しかし、グラフィックデザイナーにはそういうものはありません。しかし、「売るための商品」をデザインしているデザイナーはそのジャンルに特化していますが、グラフィックデザイナーは様々な業種のデザイナーと話ができないといけません。
そういう覚悟をして欲しかったのです。

さらにグラフィックデザイナーとしてのレベルを上げていくと、特化した各ジャンルのデザイナーとそのジャンルについて話ができるようになってきます。いや、ならないといけません。そしていずれそのジャンルの特化したデザイナーと同等もしくはそれに近いスキルが持てるようになれば、グラフィックデザインの域を超え商品企画やブランディングができるようになります。
ただし、その手順を確実に踏んでいかないとグラフィックデザイナーが言うブランディングやプランニングというものは、何も中身のない空虚なものでしかないのです。
そういうことを話しました。

2時限目には実際に就活するにあたり、どういうことが必要かという話をしました。
服装や礼儀は他の講義ですでに聴かされているはずなので、私はどういうふうにすれば企業の目を引く学生になれるかということを話しました。

●ポートフォリオの作品は人の2倍も3倍も用意しなさい。
●自分のサイトを造り、SNSなどを活用して自分のアピールを多数の人に見てもらえるようにしなさい。

この2つが大事だという話から、もう一つハッパをかける話として私がいつもインターンの学生たちにいうことをここでも話しました。

通常、美大やデザインの専門学校に入る学生は一般の大学を目指す学生に比べてかなり楽な受験時代を過ごしているはずです。一般大学を目指す学生たちは、小学校の頃から塾に通い、模擬試験をいっぱい受け、勉強に明け暮れてようやく志望校に合格するはずですが、デザイン志望の学生はそういう学生に比べ圧倒的に楽な学生時代をすごしているはずです。
自分の好きなことを仕事にできるチャンスをいとも簡単に手に入れられます。それに比べて一般学生は大変な努力を何年もしています。ですから君たちもせめてこの学校にいる2年間だけでも一般の学生並みにとことんデザインの勉強をしてみなさい、そうすればきっとみんなより1歩も2歩も前に出ることができるはずだ、とそういう話をしました。

そのあとは模擬面接をし、男性の有利な点と女性の有利な点の話で講義を締めくくりました。

帰りにわざわざお礼を言いに来てくれる学生が何人もいたことが率直に嬉しかったのですが、話をしながら自分自身もまだまだガソリンを焚いて走らないといけないな、という気にさせられました。

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