コラム

2015-05-03

なぜ、コイズミデザインファクトリーは女性デザイナーばかり?

コイズミデザインファクトリーには現在私を含め9名のデザイナーが在籍しています。
そして、そのうち男性は私一人。残りはすべて女性です。
この私以外は女性のみ、ということが弊社の最も大きな特長かもしれません。
しかもこの状況は創業以来不変です。

よく「なぜ女性ばかりか」とか「女性ばかりだとやりにくくないか」という質問を受けます。
正直なところ、創業当初は特に女性ばかりを選んでいたわけではありませんでした。
私が創業した頃はこれからバブルに向かっていくという景気が上り坂のときでしたから、男性のデザイナーを雇おうと思ってもなかなか雇えない状況でした。もともと若いデザイナーは男性の方が絶対数が少ない上、会社の待遇がどんどんよくなっていく頃でしたから、うちのように小さく、将来性に不安のある事務所では募集をかけても男性の応募などほとんどありませんでした。

創業当初は私がそれまでに勤めていた会社からデザイナーを引き連れて起業したこともあり、自然と私以外は女性という状態になったのです。

ただ、何年も仕事をしているうちに、採用するデザイナーは最初から女性に絞るようになってきました。

それには私なりに2つの理由があります。
一つ目は「女性の方が美しいものに対する好奇心や感性が強い」と思うからです。
これは反対意見もあることと思いますが、私は歴然とした差があると思っています。何よりもはっきりした理由は「ファッションや化粧品は圧倒的に女性の市場が大きく、ブランドや商品も豊富に用意されている」と言うことです。花屋さんや雑貨屋さんにも女性客が圧倒的に多いのも同じことです。男性よりもそういう「美」を求める気持ちが絶対に強いのです。
これは男女差別でもなんでもなく「適性」の問題です。男性の方が力仕事にむいているのと同じことです。
デザインというビジネスの中で、その女性特有の「感性」を使わない手はないと思うからです。

そして二つ目は、「世間のデザイン会社に勤める中堅以上のベテランは圧倒的に男性が多い」からです。
もともとデザイナー志望の学生は圧倒的に女性が多いのに対し、ベテランになると圧倒的に男性が多いのは、女性が長く続けにくい仕事だからです。
それはもちろん女性のせいではなく、雇用している企業側の責任です。
女性には女性特有のライフイベント(結婚や出産)があり、ただでさえ労働条件の悪いデザインという職種では、それを乗り越えてずっとデザインという仕事を続けるということが不可能だからです。
会社はもちろん結婚や出産によって「辞めろ」とは言いません。しかし、現状のデザインの現場でその女性だけが毎日定時で上がったり、出産のために半年以上休んだりできるでしょうか?
いくら法規的に可能であっても、実際はほとんどの場合無理です。
だから世間のデザインの現場にはベテランの女性デザイナーが極端に少ないのです。

「よそがそういう状況であれば、せっかくの女性の高い感性を使わない手はない」と考えても不自然ではないでしょう。よそが「おっさん」ばかりの布陣であるのに、うちだけが「女性」の独特の感性をふんだんに使える、こんな恵まれたことはないはずです。

この状況を維持するためにコイズミデザインファクトリーでは、女性が結婚したり、出産するときもそのあと仕事を続けたいと思う気持ちを大事にしたいと考えています。結婚や出産で自分のデザイナー人生は終わりだと思ってしまうような会社では向学心も生まれません。自分のデザイナー人生を長いビジョンで見ることができるように事務所としてバックアップをしているつもりです。

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