コラム

 公開日: 2011-12-05 

コンペは2極化

クライアント側が行うコンペには大きく2つの結果が待っています。
1つはコンペを行った結果、優れたデザインが集まり、目的に対して十分満足のいくデザインが採用できた、という成功例。
そしてもう一つは、コンペを行うたびに集まるデザインの質が低下し、納得のいかないままデザインを採用した結果、うまくいかず何度も何度も修正を加えて、余計に訳がわからないデザインになった、という失敗例。

ではこの差はどこから生まれてくるのでしょう。

世の中は、何でもかんでも「2極化」という言葉が使われます。
「2極化」というのは「よい循環」を生み出した側と「悪循環」を繰り返した側の差が徐々に明確になって大きな差がついてしまった結果であり、もともと簡単に起こってしまうものではありません。
「循環」というものは良くも悪くも徐々に起こるものなので、当事者は気づきにくいものでしょう。

そのことはコンペを実施する企業側にも当てはまります。

「よい循環」を生み出すコンペは、
●コンペの実施意図が明確に参加側に伝わっている。
●コンペの採用基準が明確で、どこが採用されても結果に納得できる。
●コンペである以上は参加側がすべて平等で、結果の報告もきちんと成される。
●コンペである以上は採用された側に通常の受注より若干でもご褒美的な報酬や何らかの+αがある。
●そのデザインを採用した以上はそのデザインの利点を活かし、双方が納得できる進行がされている。

と、いったことが想像できます。

それに対して「悪い循環」を生み出すコンペは、その正反対で
●コンペの実施意図がわからない。(コンペをすること自体が決めごとになっているので慣例的に行うなど)
●コンペの採用基準が不明瞭。(コンペとは名ばかりで、実際には単に相見積もりであったり、選ばれたデザインがなぜそれになったのか理解できない、など。)
●コンペの形式をとっているものの、単にそれは形式的なもので、もとから採用されるデザインがおおむね内定していたり、参加した側にきちんと結果報告もない。
●せっかくがんばってコンペに勝ち抜いても通常の仕事と変わらないか、逆に下回る報酬であったり、作業が繁雑になったりする。
●そのコンペに勝ち抜いたことを後悔するような効率の悪い進行形態であったり、採用されたにもかかわらず、最終的にはまったく違うデザインになってしまった。

と、いうような状態であることが考えられます。

参加側もビジネスである以上「採って損」的なコンペには参加したくないのが本音です。

コンペというのは、優れたデザインを集める方法として一般的になっていますが、実施する側もそれなりの準備と対応が必要です。
だいたいの場合、不採用時には無報酬でデザインを提出するわけですから、そこには円滑な人間関係も必要なはずです。
ビジネスというものは双方が100%力を発揮してこそ成功の可能性が生まれるわけですから、その円滑な人間関係を維持できてこそ、効果的なコンペとして「よい循環」を生み出していくのではないでしょうか。

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