コラム

 公開日: 2012-10-23 

色の蘊蓄 1 「黒」

今回から色の蘊蓄を私なりに書かせていただきます。

まず記念すべき第1回目は「黒」。
と、いきなりですが、実は「黒」すなわちBLACKは色ではありません。
色というものは、本来太陽の光のうちのある部分だけが反射したて、人間の目に見えているものです。
ですから「黒」は、まったく光を反射していませんので、何も色がないように見えるのです。
そう、色がないのです。
ですからそういうものを「無彩色」と言います。

難しい話はこのくらいにして、「黒」という無彩色についていろいろ見ていきましょう。

最近の日本人、特に男性は持ち物や服装において「黒」を多用します。
それには、ひところオシャレなデザイナーズブランドと言えば「全身真っ黒」というイメージがあったことが、大きく影響していると私は思っています。
現在40代から50代の方は、20代の時にDCブランド全盛期を経験しています。そのときにファッションというものに興味を持ち始めた人たちにとって、「黒」というのは、実に理解しやすいものだったのです。

なぜなら、前述のように「黒」は本来色ではない「無彩色」ですから、他の色に干渉することはありません。
どんな色を隣に持ってきてもケンカしないと言うことです。

それはすなわち配色やコーディネイトがカンタンと言うことです。
ですからファッションセンスに自信のない人でも、黒と合わしておけば無難だと言うことになるのです。

そのことが一般化してしまった今の日本人は、何かにつけて「黒」を選択するようになってしまいました。
現に、リクルートスーツも最近では「黒」が主流です。
以前のような「ネイビー」や「グレー」は少数派となってしまいました。

車にしてもそうです。
30年ほど前は、「黒」をラインナップしている車種はまだまだ少なかったはずです。
黒い車に乗っていると「霊柩車みたいだ」などと悪口を言われたものです。
それが今では、「黒」を用意していない車種はほとんどありません。

平日の電車の中で通勤途中のサラリーマンを見てみてください。90%以上が黒い靴と黒い鞄を持っています。茶色やそのほかの色のものを持っている人は、かなりおしゃれな人かまったく無頓着な人かのどちらかになっています。

服装において「黒」は、特別なものとして扱われていましたが、やはりDCブランドがその感覚を希薄にしてしまった感があります。
特に日本古来の風習としては、「黒」を着用するのは特別なときときまっていましたので、たった何年かのDCブランドブームがそれを大きく変えたというのも不思議なことです。

これほどまでに日本人〔特に男性〕に支持される「黒」。
今では「無難な配色」には欠かせない「黒」ですが、まあ、あまり悪者扱いせず、上手くつきあっていきたいものです。

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