コラム

 公開日: 2014-06-10 

若者の自尊感情の低下の原因

臨床心理学の研究計画の作成に携わっていると、
少なからず「自尊感情」という言葉が出てきます。
この自尊感情という言葉はREBTでも重視されますし、
エリスもこれに関連する書籍を編集しています。
その意味で若者が自信を失い続ける日本、その原因と対策
という記事は示唆に富んでいます。

日本人は「自分自身に満足している」と回答した人の割合は、45.8%で、
他国はと比べて最も低いそうです。また「将来に明るい希望を持っている」
という人の割合も、日本は61.6%と最低になっています。
言われてみると、ある程度納得できる数字です。私もこの仕事をして
強く感じることは、とりわけ若者(大学生)が自信を持っていないか
あるいは根拠のない自信だけがあり、現実をみせつけられることに
恐れを感じていたり、あるいは見てしまうとへこんでしまう、ということです。
数え切れないくらいそういった事例をみてきました。

この原因を教育にあると考えるのは、多くの人の共通点だと思います。
その点については、この記事も同様ですが、では、実際にどうすれば
教育で自尊感情を下げないようにできるかということについては
難しい問題です。とりわけ、日本の教育は、自信をなくさせることを
「謙虚」と教え、それが「日本人的奥ゆかしさ」とでも考えている
傾向があるように思います。だから、例えば英語の授業でも
「当てられて、答えられなかったらどうしよう」
という不安が生じることが当然だと認識されているのです。

とりわけ、大学入試までの教育に最大の問題があります(言い切ります)。
日本ではスポーツの部活動が盛んですが、大半は、「教育の一環」と
言っています。現代の高校野球で教育を語られると、鼻白むというのか、
「よく言うわ」
といった感じがするのですが、日本の高校スポーツでは、通常全国大会が
トップの大会になります。高校野球で言えば、「全国制覇」できるのは
一校だけで、あとはすべて敗者として、高校スポーツを終えます。
これがイチイチ悪いとは思いませんが、高校スポーツが敗者生産機で
あることは間違いのない事実です。だから、指導者は「負けの解釈」を
高校生たちに教えていく必要があります。それを自信につなげられるように
受容させ、前を向かせる技術が必要になります。

しかし、うまくそれができない場合、自分自身の経験と、これまで大学受験にも
関わった経験をもとに最悪のケースを想定してみると、
中学でスポーツの成績がよく、期待されて高校に入学したものの、
成績をあげられず、挫折感と敗北感にさいなまれ引退。
スポーツ推薦で大学に行けず、あるいは希望する大学から推薦が来ず、
自力で大学受験を決意するも時すでに遅し。そしてまた受験で敗北。
浪人(今は死語になるつつある)して入ったものの、勝利感は得られず
そのまま大学生活を過ごしてしまう。
こんなケースは実はとても多いのです。どのタイミングで自信を
つけられる教育を受けたのかと問われると、誰も答えられないという
経験を私もキャリアの中で何度も感じてきました。これを個人の問題と言うのは
今の若者にはあまりに酷です。
だから、私は、多くの人に大学院受験を決意した人には、大学受験までの思いや
感情は良くも悪くも一旦リセットするようにすすめています。
日本の大学受験システムは、受験をしたらしたで、ランキングと称した
レベルの輪切りによって、敗北感を与えます。また一方で、指定校推薦や
スポーツ推薦、AO入試、あるいはエスカレーターで大学まで上がる。
こういった一般受験ではない人々に対して、
「私はちゃんと受験をしていないから」
と言わせてしまうシステムも存在しています。

何でこんなどこからどう見ても敗北感しか残らない受験システムになったんだろう・・・
せめて大学院受験だけは、学生に達成感と将来への自信につながる感触を
手に残したいと、挑み続けて10年が過ぎましたが、まだまだ先は長いなと
感じた次第です。



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