コラム

 公開日: 2015-07-13 

研究計画指導の観点から見た、スタートからゴールまで

研究計画作成が本格化しています。
今年も、毎日のように日をまたいで、塾生は一生懸命書類を作っています。
毎年のことながら、モチベーションの高い人とこういった時間を過ごせることは
指導者としても本当にやりがいを感じます。

ここからは毎日研究計画を意識した生活になります。
まず第一にすべきことは、「何がしたい?」の問いに答えられるようになっておくことです。
これが基本であり、かつ難問です。
「自分のしたいことくらいわかるだろう」と
考える人もいますが、私はそうは考えません。
やはり研究レベルで、自分が解き明かしたいことを見つけるのは容易ではありません。

私が塾生にまず指示を出すのは、「外せないキーワード」を二十個以上
リストアップしてくることです。それを見れば、ある程度その人が何をしたいのか
について傾向を見つけることができます。
例えば、「学校」「不登校」「親」「教師」「スクールカウンセラー」と並べば、
少なくともその人が不登校支援について何かしらイメージを持っていることがわかります。
しかし、これだけでは、まだ「興味がある」とは言えません。この段階が最も難しい時期と
言えるかもしれません。

外せないキーワードがある程度設定できれば、次はそのキーワードを使って、
疑問文の設定をします。研究をするに当たって、この疑問の設定は非常に重要です。
何の疑問もなければ研究は始められないと言っても過言ではありません。
この疑問の設定ができてはじめて興味があると言えるのです。子どもの頃から
私たちは興味を持つ→観察をする→疑問を持つといった一連の流れは、
何となくできるようになっているのですが、大人になると、あまりこの作業をしなくなります。
特に、インターネット時代の現代は、この作業がむしろ苦手になっていると
感じることの方が増えました。

疑問を設定することは簡単ではありません。また疑問と言っても、yes,noで
答えられる疑問ではなく、何らかの疑問詞をつけた疑問文である必要があります。
疑問詞の種類によって問いたい内容が変わりますし、疑問詞をつけることで
具体的になりますし、「絞る」こともできてきます。疑問詞をつけた疑問文は一つではなくて、
できるだけたくさん作ってもらいます。その中から徐々に自分の問いたいことを修正しつつ
さらに絞り混みます。この作業が最も慎重にすべきところであり、最も時間がかかるところでもあります。
疑問が設定できたら、次は論文及びその他情報集めの作業に移ります。

情報収集の基本は文献探しです。先行研究を適切に押さえられているかどうかは
研究計画書における重要な評価ポイントです。やはり、先行研究が踏まえられていないと、
先人のアイディアと重なってしまうこともありますし、すでに明らかにされていることが、
理解できていないならば勉強不足ということにもなります。また、どこまでがわかっていて
どこからがわからないのか、というラインを引けることも重要です。
審査する側としては、先行研究の出し具合を見れば、その人がどのくらいの力量を
持っているかがある程度わかります。
従って、先行研究収集にはかなり力を入れる必要があるのです。まずは集める作業から始まる
わけですが、今はインターネットでかなり見つけることが可能です。基本的なサイトとしては
CiNii、google scholar 、国会図書館あたりがあります。

しかし、インターネットでダウンロードできる論文以外にも、むしろ重要なものがありますので
足を使って論文を取りに行く作業も必要です。進歩したとはいえ、所詮機械ですので、
まだまだ拾いきれていない論文の方が多いと言えます。

文献がある程度集まってくると、当然ですが、読まねばなりません。
この点について、私が必修の授業の中で強調していることは、「読めばわかる」と
言えるようになることです。学者はほとんどがそういう人です。しかし、私も経験がありますが
読んでもわからない、あるいは読んで、わかったつもりだったけど、実はわかっていなかったと
いうことがあります。もちろん、それでは困りますので、そうはならないように訓練が必要になります。

読むときの私なりのコツは、基本的なことですが、メモをとることです。また、線を引くことは
しません。メモは大きめの付箋にすることが多いです。
メモは後で確実に見るようにします。漠然と「重要そう」なところはメモはせず、確実に
重要なところをメモします。そうすると、徐々に読めるようになってきます。

読めるようになったら、ひたすら読みます。読んで、情報が増えたら、また疑問の設定をします。
ここで、自分が問いたいことをほぼ確定します。ここでの疑問の設定は、すべてを決めますので
大げさな言い方ですが、人生を託すくらいの勢いが必要です。
確定できたら、少しずつ文章化していきます。

文章を作る際に重要なことは、たくさん書くことです。
例えば、1000字の字数制限があるとすれば、だいたい三倍の3000字くらいで書いてもらいます。
それを削っていく作業になります。ここはなんとかがんばっていただく必要があるのです。
字数が足りないものを増やす作業は結構難しいうえに内容がどうしても薄くなります。
結局余計な言葉がかさんで、また削らざるを得なくなります。
最初から多いものを削る作業は、この業界にいる者なら誰でも経験しているはずなので、
それほど難しい作業ではありません。

実際に書き始めると、あとは構成、誤字脱字のチェックをしつつ、読み手に読みやすく、
かつ説得力のある内容に組み立てていきます。
ここまで来れば、後は各大学が提示する枠にはめて整えるだけと言ってよい作業になります。
これが最後の難所ですが、これは数時間あればできますので、一気に終わらせましょう。



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