コラム

 公開日: 2015-11-10 

論述力を身につけるコツ

京都コムニタスの生徒、あるいは相談に来られる方で、論述が苦手という人は非常に多いと言えます。論述力を身につける方法は、まずは訓練です。生まれつき論述が得意な人はいないはずです。論述は、単に文章を書くのが上手、あるいは得意なだけでは書けるようにはなりません。文章作成力と論述力は必ずしも比例しません。極論すると、文章は下手であっても、論述が上手な人は少なからずいます。論述の文章を書く時のコツの一つは、単文で書くことです。日本語文章には、単文、重文、複文とありますが、単文とは要は主語と述語だけの文です。「●●は△△である」だけの文を連ねるのです。味も素っ気もありませんが、わかりやすいことは間違いありません。論述を書く時に、まず気を付けておかねばならないことは、わかりやすさです。読みにくい、わかりにくいと思われてしまうと、それだけで不利になってしまいます。将来、大きな論文を書く時には、わかりやすければいいというものではありませんが、研究計画、志望理由書、小論文や、論述ではわかりやすさが重要なのです。単文で書くという意識を持つだけでもかなり違ってきますので、一度実践してみてください。

次に、フレームについて述べます。フレームとは「枠」で、一定の枠を決めて書くということです。小学生くらいの年齢で、作文を書くことは誰でもあったと思いますが、そこで一番よくないのは、
「思ったことを書きなさい」
「好きなことを書きなさい」
「自由に書きなさい」
「書きたいことを書きなさい」

こういった指導もどきです。指導は英語ではLeadingであったりCoachingを指します。高校生や大学生ならともかく、小学生にはこれは指導とは言えません。しかし、小学生の段階でこのような指導もどきを受けてしまうと、一生文章を書くのが苦手という人がたくさんいます。これは悲劇です。そうは言っても、過ぎ去ったことはどうにもなりませんので、大人になってから、文章を書くスキルを身につける必要があります。そのコツの一つが、一定の枠を決めて、そのパーツごとに書く練習をすることです。ただし、よく起承転結という枠が言われますが、これも少し違います。起承転結で書けと誰が言い始めたのかは知りませんが、起承転結は、漢詩の構成枠です。とくに四行形式の「絶句」と呼ばれるものです。確かに終戦以前の日本の教育は、漢文の知識を教えていましたので、20代の若者が漢詩をよむということは珍しくありませんでした。そんな関係もあり、文章を構成するにあたり起承転結を意識したのは理解できなくもないのですが、漢詩など見たこともない世代に、起承転結という言葉だけ教えても何もなりません。生徒にとっても意味不明でしょうし、おそらく教えている方も理解できていないのではないかと思います。こんな関係で、文章を構成する力を我々は教育で養成されていない人が多いのではないかと思います。
論述はは、論とつくくらいですから、論理的に書くのが基本です。少なくとも読み手が論理的だと思わなければ意味がありません。論理的に書くには、まず筋が通っていることが重要です。筋が通っていないと、読み手は読み返さないといけなくなります。書き手は、読み手が一回読んで意味がわかるようにするのが基本です。そのためには筋道を通す方法を練習しておく必要があります。これは訓練で身につきます。私が京都コムニタスで推奨している筋道の「枠」は、このコラムでも書きましたが、必修のいろはのいです。すなわち、問い→回答→根拠の三点セットです。問いは論述問題の場合は、すでに出ている場合もあり、それに対する回答と証拠だけの時もあります。回答は仮説でもいいです。完全な回答がないこともたくさんあります。例えば、問いで、「いじめはどうしたらなくなるか」と設定した(しちゃった)場合、「●●すればいじめはなくなる」というのはすべて仮説です。あるいは推定です。確実にいじめをなくす方法があるならもう世の中からなくなっているからです。ただ、このようなテーマの場合は、そうならざるを得ない部分もありますので、間違いではありません。この場合、重要ポイントになるのは、根拠です。根拠次第でその文章が生きるかどうかが決まると言っても過言ではありません。根拠は情報提供でもあります。この部分で知識が問われているのです。そして、読み手に情報を提供するという意思が必要です。自分で設定した筋道の中でも、自分の中で「ここを見てください」と主張できるポイントがあるならば、是非強く書いておくべきです。そうすることによって、筋道もより生きることになるのです。

論述力を磨くには筋道を通すことに加えて、「説得力」が必要です。これまでもこの説得力については何度か書いてきました。論述でもやはり読み手を説得する力が必要です。説得力はやはり根拠次第で強くもなりますし、弱くもなります。根拠を出す時にはできるならば、何らかの数字のデータが良いでしょう。例えば合計特殊出生率とか、いじめの件数など具体的であればある程良いと思います。また数字以外には、根拠が、自分で出した問いに対する回答と合っているかどうかも重要です。答えは出したものの、根拠が合っていないと単なる残念な回答ということになってしまいますので注意が必要です。場合によっては根拠に合わせて、回答を変えることもあり得ます。またさらに問いごと変えるということもあり得ます。そこは柔らかく考えて、最も説得力があるという文章を作ることに意識を向けなければなりません。そのためには、問い、回答、根拠の3つのパーツごとにしっかりメモを取りながら進めていくのが良いでしょう。


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