コラム

 公開日: 2016-05-22 

相手に感情を伝える難しさ

必修の授業では、そろそろ、面接対策前夜に入る予定です。面接対策前夜には、まずはセルフヘルプとして感情を適切なものに整える訓練をします。不安な状態で学科や面接に臨むか、ある程度低減した状態で臨むか、どちらがいいのかは言うまでもありません。だからといって緊張感をすべてなくす必要もありません。完璧主義の人は、緊張を忌み嫌うものと捉え、全力で緊張するか、あるいはゼロにするか、などと考えがちですが、そうではなく、スポーツ選手にもよくありますが、「ほど良い緊張感」を得ることが重要です。合い言葉は常に「必要なことを必要な分だけ過不足なく」です。

以上は基本的な話なのですが、今回は、一歩進めたものとして、感情を相手にどう伝えるかという問題について触れます。大学院入試は、学科と面接があるのが通常ですが、いずれにしても、何かを読み手に伝えることが重要です。あまり適切な訓練を受けていない人は、学科でも、その瞬間の自信のなさや不安が伝わってしまいます。私も長く小論文の採点をしたのでわかるのですが、小論文指導を受ける人は、文章の書き方を習うことが多いようです。本来は一定のデータ(証拠)に基づいて、今言える自分の考えとして、その証拠が物語ることを伝えることが基本です。だから順序としては、自分の考えの作り方、次にデータ収集の仕方、次にデータの読み方、考察の仕方、このような流れで訓練を受けることが必要です。

しかし、小論文でも、自分の感情を伝えてはならないということはありません。むしろ、当然生じうる感情について言及することは重要なことです。例えば、東京都知事はなぜあれほど叩かれるかということを考えてみるとよくわかります。都知事は、「法律的に問題なし」という論法を立てて、逃げ切りを図っているわけです。しかし、法律的に問題がないことは(正確には法律に問題があることは)、最初から、「精査」していたのでしょうから、抜け道をくぐっているはずです。しかし、本来の問題は、「政治家の公私混同に対する道義的責任」です。だから追求する側は、これまで公私混同問題で辞任していった事例を集めて、知事に突きつければいいわけですし、法律的問題に逃げ込めないようにすればいいわけです。つまり法律家である弁護士によるチェックなど必要ないのです(私は都民ではありませんので、どっちでもいいです)。

だからこそ知事は、「世間様」が法律論に乗ってくれるように、発言をするわけです。そのやり方が、不誠実極まりないもので、どれほど見る人の嫌悪感を煽っているかということについては、全く興味がないかのような言動と振る舞いに、余計な感情を掻き立てられます。これが意図的かどうかはわかりません。こうなると、もはや感情論の対決です。見る側が「なんかわからんけど、腹立つ」という状況に持って行くことで、事の本質から逃げられると思っているように見受けられます。

一般に、感情論は、合理的ではないと考えられがちですが、本来はそうではありません。政治家が辞職するケースに感情論が入っていないケースを探す方が難しいでしょう。だから、政治家には、カラーコーディネーターやイメージコーディネーターをつけて、他者の不快感情を煽らないように日々努力している人もたくさんいます。私も人の前に立つ仕事ですから、あまり印象の悪くなるような振る舞いや発言は意識的に避けます。しかし、自分の問題を回避するために、見る側の嫌悪感を煽るというやり方はまず採用することはありません。

自分の感情を率直に伝えることができるように努力することは、とても大切なことです。「伝える意思のない感情が伝わってしまう」「自分の本当の問題から目をそらさせるために、相手の不快感や嫌悪感を煽る」こんなことをするのではなく、今ある素直な感情を、適切な形で伝える、例えば、面接会場で
「今、少し余分に緊張しています。深呼吸の時間いただいてよろしいですか」と強い緊張に襲われている時は、素直に言ってみた方がいいのです。こういわれて、「ダメです」といわれることはまずありませんし、大学の先生は、そういった素直な言葉は理解してくれます。こういった言葉を身につけましょう。


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