コラム

 公開日: 2011-07-25  最終更新日: 2014-02-10

京都コムニタス設立のきっかけ 9

大学の非常勤講師の話をいただき、ある意味では、いままで苦労してきたことが
報われた気になりましたし、何かご褒美をもらったような気になりました。
この考え方が間違っていることに気づくのは数年たってからのことです。
もちろん大学の非常勤講師の身分はご褒美ではありません。いずれにせよ、
再度人生が動きだしました。そこで、大学院を出るまでの間、また何か仕事を
することにしましたが、何をするのか、ちょっと困りました。
もっと専門の勉強をする時間を確保したいという気持ちもありましたし、
あわてずゆっくり考えたいという気持ちもありました。
そんな時、昔の同僚(後輩)から、塾経営コンサルタントをやろうと声がかかり、
軌道にのるまで、下地づくりに協力することになりました。
コンサルタントといっても、今から思えばですが、拙いもので、
いわゆるどぶ板営業からのスタートでした。ただ、この時の経験は
京都コムニタス創成期において大いに役立ちました。教材販売時代の経験と
人脈と教材確保ルートを活かして、一件ごとにピンポン営業をしました。
そうやって一件の塾が運営できるだけの生徒になりうる人を確保して、
新規で塾を立ち上げた人の経営を改善する業務をしました。
正直、京都内ではなかなか難しく、他県での活動が中心になりました。
これも今の京都コムニタスで役に立っています。特に滋賀県の塾事情に詳しく
なれたことが、今に生きています。ただ、この仕事は自分のためというよりも、
後輩にノウハウを教えることが目的でしたので、ある程度数年があがった段階で、
あとは彼らに任せました。今は国際弁護士になったり、本物の経営コンサルタント
になったりと、結構大物になっています。私はというと、大学の非常勤講師業が
始まり、授業の準備で必死になっていましたが、生活費を得る必要もあり、
(奨学金早速返還を迫ってきますし…)また講師業をしようということになりました。
たまたま、以前行っていた予備校が声をかけてくれ、そこに入りました。
加えて、先述の後輩の一人が大学院受験予備校を紹介してくれました。
当時は、大変珍しい業種で、すでにコンサルタントの仕事で、私も編入や大学院受験を
少し手掛けていましたが、予備校があるのは、灯台もと暗しとはよくいったもので、
あまり知りませんでした。これは経験せずにはおれんな、ということで、別に募集は
なかったのですが、自分から売り込んで、試験を受けさせてもらい雇ってもらいました。
研修の時にいくつかの授業を見せてもらいましたが、正直、びっくり仰天の心境でした。

あまり批判するのはよろしくないでしょうが、あえて批判させてもらいます。
その大学院受験予備校の最も批判されるべき点というのは、「良い先生の条件」とは、
「不合格にさせること」と言い切っていたことです。合格してしまえば、
もう予備校には来てくれないが、不合格なら確率論として、また来てくれるかも
しれないというのです。私は、それなら合格後も是非引き続き教育を受けたいと
言ってもらえるようにすればいいのでは、と進言しましたが、そんなことは
あり得ないと、全く努力もしようとしませんでした。実際、そこにいた講師も
「もう二度と予備校なんて来ちゃだめだよ」
なんて馬鹿なことを言う愚か者もいました。二度と来ては行けないような場所で
受けた教育が何の役にたつのか、またそんな程度の教育しかせずに恥ずかしくないのか…
そんな怒りにも似た思いが頭を巡っていました。
京都コムニタスでは、例年合格してからも継続して、様々なことを習いたいと
希望される方が数名おられます。その方々用にクラスを作ったり、REBT の
特別授業を行ったりしています。その意味でこの予備校の考え方はどこをとっても
筋が通っておらず、また顧客、つまり生徒に対して果たすべき役割を果たさないように
指示する本末転倒ぶりはひどいものがありました。
この予備校に入る際に同時にもうひとつ大手塾も採用されていました。
ここの考え方もまた私にとっては異様で、私の模擬授業を見て、
「あなたは生徒相手に授業をしていますね。何か理由はあるのですか?」と質問されました。
何をアホなこと言ってんねんと思いながら、
「生徒以外のために授業をした経験なんてありません」
と返すと、向こうも同じことを考えているらしく、呆れたように
「顧客は生徒ではありません。母親です。お金を出すのは母親なんだから当然でしょう」
じゃあ、子どもは?と聞くと、
「子どもは、塾で教員が板書したことをきれいに写して、母親に見せるメッセンジャーに過ぎません」
全力で言い切るので、もしかすると、当の母親の前でも言いかねないなあと思いつつ、
あきれてものが言えない状態でした。
少なくとも、大学の学費も大概は親が出すでしょうが、大学生が親へのメッセンジャー
なんていう話はあり得ないでしょう。こういう考え方が根付くには、
それなりの理由はあるのでしょうが、関わらない方が身のためと判断して、断り、
そして上述の予備校に入ったのですが、また違った形で腐敗していました。
ただ、組織の腐敗度合は圧倒的に大学院予備校の方が進んでおり、
程なく内部崩壊していきます。むしろ私には、スクールがあるいは、
組織が壊れていく様を生でみるチャンスに恵まれました。入って半年後くらいのことです。
その時、私は常勤講師という身分だったので、最後まで沈没する船に乗るという経験を
してしまいました。

私のキャリアの中でも、自分が属する予備校が潰れていくのを経験したのは一度だけです。
その大学院受験予備校は、システムにも問題があったと思いますが、事務方と運営陣と
講師陣の意思疎通が全くできていませんでした。当時の事務長さんは、我々の顔を見ると
「生徒の顔を見たら諭吉さんと思ってください」と、自分が正しいことを言っていると
思い込んでいるようでした。
 大学院受験予備校は、当時としては珍しい存在ではありましたが、実状としては、
あまり運営の仕方を練り上げた様子もなく、ただ思いつきで出たとこ勝負といった感じでした。
この時、私が最も強く感じたのは、その予備校のトップが、自らの意志として、
「どんな予備校にしたいのか」
「その予備校の経営哲学は何か」
「その予備校の目標は何か」
このようなことをトップが自らの口で語らねばならないと思いました。
企業は大小に関わらず、トップの考え方、人間性が随所に出ます。これは隠そうと思っても
隠しきれるものではありません。だから私もこのコラムで、大学院受験予備校を選ぶ時には
必ず責任者と会って、しっかりと質問をして、話を聞いて欲しいと訴えています。

ここで述べている大学院受験予備校は、私はそのトップの人に会ったことがありませんでした。
だから当然何を考えているかはわかりません。そうすると事務長が先述のような暴走発言を
してしまいますし、それを咎める者もいないのです。そうすると、その予備校の行き着く先は
徐々に見えてきます。
私がこの予備校の崩壊劇で学んだことはたくさんありました。一つは今述べたトップのあり方です。
二つめは、大学院受験や編入受験を手がける意味です。このような受験は、対象は大人です。
大学受験のように高校生など未成年を対象にすることは稀です。したがって、大人に納得して
もらえるスクール作りをしなければなりません。ですから、大学受験の延長戦上で考えていると
決してうまくいきませんし、生徒のためにもなりません。それぞれの人が何を希望しているかを
よく聞いて、各自に可能な限り対応できる体制を作らねばならないことを学びました。
最後に講師管理です。この予備校にいた講師は、申し訳ないですが、半分以上は質が低かったと
思います。おそらく人選をしていなかったと思います。だから私も入れたのかもしれませんが、
大学院受験や編入受験を扱う予備校は、よほど丁寧な人選をする必要があります。
勉強の能力だけが高い人間は決して使えません。やはり、「空気が読める人」
「人の気持ちが分かる人」「否定しない人」「共感という言葉の意味が分かる人」
もちろん「教える能力の高い人」「生徒にこんなこともわからないの?と言わない人」
「変な思想を押しつけない人」などなどいろいろありますが、大学院受験や編入受験の
予備校の教員は様々な意味で能力が高くなくてはなりません。大学院は出たけれど
研究もできず、まっとうに働くこともできず、そんな私を社会や企業が食べさせて当たり前と
考えているような輩は、少なくともこのような予備校では必要ありません。
当時はその意味でいてはならない講師が多かったと思います。このような経験から
やはり人材を育成することが急務だと考えるに至ったのです。

そしてこの予備校は崩壊していったのですが、なんとひどいことに生徒が残されてしまいました。
予備校が潰れるのは勝手ですが、受験まで至ることができないまま残された生徒は、立派な
被害者です。彼らを何とか受験で合格できるように教えることが私の最後の役目と思い、
しばらくキャラバン隊のようにあちらこちらの喫茶店やマクドナルドなどで教える生活が
続きました。

京都コムニタス設立までもう少しのところまできました。

続く



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