コラム

 公開日: 2017-12-30 

法定相続について

 皆様、こんにちは。

 今回は、相続においてよく耳にする言葉、「法定相続(人)」につきまして、基本的な事からお伝えしておこうと思っております。

 法定相続という言葉は、相続においては必ずついてまわる言葉ですので、おそらくほとんどの方がお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
 まず、法定相続という言葉を簡単にご説明しますと、あらかじめ遺言書などで、財産の引き継ぎ方法が指定されていない場合、それを誰がどの割合で引き継ぐのか、ということが法律で規定されています。
 法定相続とは、その規定に従った相続をさす言葉ということになります。

 法定相続人が誰かということは、その後の相続手続きの協議をする方が誰かということになりますので、ここが間違っておりますと、全く無効な協議をしてしまうことになります。
 また、法定相続人が何人おられるかということは、相続税が課税されるのかどうか、を確認する時に用いられる「基礎控除額」というものにもかかわってきます。
 相続税は、法定相続人の数に比例して基礎控除額も増える仕組みとなっておりますので、同じ相続財産が遺されていた場合でも、法定相続人が多い程、相続税が課税されにくくなります。

 相続手続きにおきましては、亡くなった方(財産を引き継いでもらう側の方)を「被相続人」と呼び、「相続開始日」は、被相続人が亡くなった日と規定されていますので、遺されたご家族で相続手続きの協議、もしくはその手続きを実際にした日ではありません。
 
 法定相続人が誰になるのか、ということは今日では多くの方がご認識されているとは思いますが、簡単にご説明をさせていただきます。
 法定相続人とは、被相続人が亡くなった日におられた親族で決定され、相続権がある方が誰になるのか、その順位が規定されております。
 ⇒第1順位=子供、第2順位=直系尊属(両親・祖父母のことです)、第3順位=兄弟姉妹という順です。
 奥様やご主人という「配偶者」には順位付けがなく、常に相続人となります。
 もし、その順位の方が被相続人より先に亡くなっていた場合、その方に子供がおられれば、その子供が同じ順位で相続人となります。(これを「代襲相続」といいます。)
 
 また、相続できる割合は下記の通りとなります。
 ・配偶者と子供:配偶者2分の1、子供2分の1
 ・配偶者と両親・祖父母:配偶者3分の2、両親・祖父母3分の1
 ・配偶者と兄弟姉妹:配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
 子供、両親・祖父母、兄弟姉妹が複数いる場合は、均等に分割となります。
 また、兄弟姉妹におきまして、父母の一方のみが同じ方がいる場合、その方の相続割合は、父母両方とも同じ方の半分となります。(これを「半血兄弟姉妹」といいます)
 
 例えば、被相続人に配偶者と子供、両親、兄弟姉妹がおられた場合は、法定相続人は配偶者と第1順位の子供となり、両親と兄弟姉妹は相続人とはなりません。
 この時、子供の方が先に亡くなっていて、その方にまた子供(被相続人からすれば孫)がいる場合は、配偶者と第1順位の孫が法定相続人となります。
 また、被相続人が独身で子供がなく、両親と兄弟姉妹がおられた場合は、法定相続人は第2順位の両親のみとなり、兄弟姉妹は相続人とはならない、といった具合です。
 このことから、順位が先の番号の方がおられた場合、後の番号の方は相続人とはならない、ということになります。
  
 これは、被相続人が亡くなられてから、相続手続きの協議が合意するまでの間に、法定相続人であった方が亡くなってしまった場合も同様です。
 仮に、被相続人の法定相続人が配偶者と子供だった場合、事故などで配偶者と子供が亡くなってしまい、両親はすでに他界していたとしても、兄弟姉妹が相続人になるわけではありません。
 この場合、元の被相続人の法定相続人であった、配偶者がまた被相続人となって相続が発生する「数次相続」と呼ばれるものになります。

 数次相続とは、先に亡くなった方の相続手続きの協議が完了する前に、相続人の一人が亡くなってしまい、新たな相続が発生した場合をさします。
 一般的に、数次相続になりますと、相続手続きの協議に参加する方が増えることが多く、それぞれに面識なかったり、関係性が希薄である場合もあり、協議そのものがうまくいかない場合があります。
 先程の、配偶者と子供が事故で亡くなった場合ですと、元の被相続人の相続手続きの協議に、亡くなった配偶者の相続人(子供も一緒に亡くなったので、配偶者の両親や兄弟姉妹)が登場してくることになりす。

 相続順位が先の方が、協議をする前にすでに亡くなっているのに、と少し違和感を覚える方がおられるかもしれませんが、先にもお伝えした通り、法定相続人は被相続人の亡くなった日で決定しますので、その後の経過で法定相続人は変化しないのです。
 それは、相続手続きの協議が終わっていない場合でも、その方の相続人が決定せず宙に浮いているのではなく、一旦は法定相続人に全体として相続財産が引き継がれ、その相続割合が協議されていないだけ、というイメージとなります。
 
 法定相続人を確定させるということは、相続手続きの最初の第一歩であり、相続税を検討する際には、基礎控除額を決めるものにもなりますので、とても重要な確認事項です。
 また、実際の相続におきましては、ご自身では誰が相続人となるかをわかっておられても、それを第三者に証明出来なければ手続きはすすみませんので、その為に戸籍等を入手して、法定相続人が誰かということを証明する必要があります。

 次回は、「遺留分」についてお伝えしようと思います。
 よろしくお願い致します。

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