コラム

 公開日: 2014-07-26  最終更新日: 2016-11-28

確定拠出年金のことをファイナンシャルプランナーに相談する<1>企業型の商品選びについて

 このコラムを読んでくださっている方々の多くは、おそらくそれなりに確定拠出年金制度や運用の考え方を理解されているのではないでしょうか。こういったコラムに興味を示さないような方々にこそ、情報や知識や知恵が必要であると感じることが多いので本当に悩ましいです。

 さて、企業型の確定拠出年金の加入者は、2014年3月末現在で約466万人おられます。会社員(厚生年金の被保険者)の7~8人に1人というところでしょうか。勤務先で制度が導入されたのはもう10年以上前という方々から、この数年で導入されたところという方々までさまざまだと思います。私は一般生活者のFP相談を日々お受けしていますので、相談者さんの勤務先の確定拠出年金についてアドバイスをさせていただく機会もあります。(労働組合さんからの依頼で研修講師を務める機会もあります。)

 相談の際にとにかく最初に出てくるのは「よくわからない」というひと言。資料が出てくればまだ良いほうで、手元には何も残っていない、専用サイトにログインなんてしたことがないという相談者さんもおられます。「制度がよくわからない」「どのように商品を選んだらよいのかわからない」ではなく「何がよくわからないのかもわからない」という状況です。

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 制度の説明として私からお伝えする第一声は「確定拠出年金は退職金制度の一部です」。まずはこれで十分だと考えています。なぜ制度をある程度知っておいてもらいたいと思うのか、なぜ運用商品をしっかり選んでもらいたいと思うのかというのは、すべて相談者さん自身が将来受け取る退職金の額に影響してくるからです。

 特に20代や30代の若い世代にとっては余程の大きな安定した企業でない限り、退職金なんて「出るか出ないかわからないもの」と考えてしまうこともあるかもしれません。大きな企業でも同じように考えておられる方々もあるかもしれません。これまでの退職金制度であれば確かにそうでした。極端に言えば、将来会社が無くなってしまっていたら、将来会社が退職金を払えるだけの余力が無くなってしまっていたら、退職金は受け取れないということもありえます。

 でも、確定拠出年金は違います。将来受け取るまで会社が預かっている退職一時金とは異なり、確定拠出年金では毎月の掛け金が会社から拠出された時点で、加入者自身の資産になるわけです。もう一度極端に書けば、明日や来月に勤務先が無くなってしまっても、確定拠出年金の中で積み立てられた資産は加入者自身のものなのです。ただし、現在の仕組みでは60歳になるまで基本的には自由に使えません。あくまでも自分自身が将来受け取る退職金の一部なのです。

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 確定拠出年金について最初に調べてみていただきたいのは「想定利回り」です。制度の導入研修資料に載っていたかと思います。制度の担当者に聞いてみていただいても構いません。想定利回りは2%前後が多いようです。導入企業の平均では2002年度や2007年度は2.3%、2012年度や2013年度は1.6%台です。

 この想定利回りで毎年運用することができれば、予定通りの額の退職金を受け取れますという意味合いです。例えば、将来受け取る退職金の確定拠出年金部分が1000万円の見込みだったとします。想定利回り2.3%と1.6%では何が違うのでしょうか。
 答えは毎月の掛け金(拠出金)です。2.3%の運用が必要であるということは、1.6%に比べると運用で多く増やせることを前提にしていますので、毎月の掛け金は少なくなるということです。同じ1000万円の退職金であれば、想定利回りが低いほうが毎月の掛け金は多くなるという意味です。

 反対に言えば、想定利回り1.6%の掛け金でも実際には2.3%の運用ができれば、勤務先の想定する退職金額よりも多くなるということです。そして、1.6%や2.3%というのは、いわゆる元本確保型と呼ばれる定期預金や個人年金保険だけを選んでいては普通預金の金利が0.02%という現在、なかなか実現不可能な利回りだということが言えるでしょう。

 退職金制度の一部としての確定拠出年金では、投資や運用の考え方は非常に重要です。導入企業においては、加入者(従業員)に向けた「継続して投資教育を実施することのたいせつさ」を強く認識していただく必要があります。ですので、一個人としては確定拠出年金に関するアンテナをこれまでよりも少し高くしてみていただきたいです。例えば社内で開催される研修会やセミナーには積極的に足を運んでもらいたいです。それは将来の自分自身の退職金のために必要なことなのです。

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 次に調べていただきたいのは、勤務先で開催される確定拠出年金に関する研修の講師を誰が務めているのかということです。制度を導入した金融機関の担当者さんでしょうか(①)。その金融機関が招いた外部講師でしょうか(②)。勤務先の確定拠出年金の担当部門の方でしょうか(③)。勤務先や労働組合が費用をかけて招いた講師でしょうか(④)。

 ①や②の講師は立場上、当たり障りのない研修内容になってしまうケースが多いように感じます。元本確保型ではなく運用商品を加入者が積極的に選んだ結果として、積立金が大きく減ってしまったときに責任問題になることを避ける必要があるからでしょうか。また、最近は特に制度導入にあたって企業が直接の大きなコスト負担を避けたい傾向にあり、金融機関にとって代わりの収益にすべく手数料(信託報酬・運営管理費用)の比較的高いものを運用商品の組み合わせ例としてピックアップしているケースも見受けられます。注意が必要です。

 ③について担当者さんの努力は称賛したいのですが、どれだけ専門家に近い内容になっているのかは予想できません。特に大きな企業や労働組合を中心に少しずつ増えているのは④だと感じます。①~③とは異なり、依頼主である企業や労働組合から講師料を直接得て収益を上げているわけですので純粋に講演内容が評価されることになり、一歩踏み込んだ研修内容になっているケースが多いのではないでしょうか。

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 このコラムのタイトルは「確定拠出年金のことをファイナンシャルプランナーに相談する」です。勤務先や労働組合の開催する研修や相談会では疑問を解決できなかった場合、自分自身が自己流で学んでみたけれど専門家の意見を聞いてみたい場合、とにかくせっかくなので専門家の話を聞いてみたい場合、このようなケースではファイナンシャルプランナー(FP)に相談するという選択肢が候補になるかと思います。

 FPに相談する際に必要になるのは、勤務先で導入されている確定拠出年金制度のわかる資料です。掛け金の仕組みはどうなっているのか、自分自身も掛け金を出せるマッチング拠出は採用されているのかなど、同じ確定拠出年金制度であっても企業によって詳細な仕組みは異なるからです。

 また、手数料情報の含まれた商品ラインナップの資料も必須です。投資助言代理業として登録していないFPであれば、具体的にどの商品をどんな比率で選びましょうというアドバイスはできません(私も登録していません)。しかし、商品の選び方や手数料の考え方、長期で運用を継続していくにあたってのポイントはお伝えできます。この考え方やポイントの説明を受けずに商品の選び方だけを専門家に求めるのはよろしくないと考えます。その専門家に頼ることができなくなったときに困るのはご自身だからです。

 FPにもさまざまな立場の人がいます。相談料は有料がいいか無料で問題ないかは、FPそれぞれの専門性の問題ですので一概には答えはありません。間違いなくお伝えできるのは確定拠出年金だけでなく公的年金にも詳しいか、何か他の金融商品などの偏ったアドバイスになってしまう恐れはないのか、この2点を事前に必ず確認したうえで、ぜひファイナンシャルプランナー(FP)に相談の依頼をしていただきたいです。

 「確定拠出年金のことをファイナンシャルプランナーに相談する」
 これは、ご自身やご家族の将来資金である退職金についてしっかりと情報を得ておくために、これからの時代において1つのたいせつな選択肢になってくることと考えています。

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■個人型確定拠出年金(iDeCo)ミニセミナー情報<160926追記>
 掛金全額所得控除のものすごさ 自分でつくる将来資金!個人型確定拠出年金セミナー
 http://mbp-kyoto.com/money-2nd/column/16793/
 2016年11月・12月・2017年1月に3回開催します。

■参照過去blog記事
・想定利回りについて
  「確定拠出年金制度に関する実態調査 調査結果」読みました。
  http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/blog-entry-1637.html
・確定拠出年金【企業型】について
  ”自分で年金をつくる最高の方法~確定拠出年金の運用【完全マニュアル】~”読みました。
  http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/blog-entry-1371.html
・確定拠出年金【個人型】について
  ”一番やさしい!一番くわしい!個人型確定拠出年金iDeCo活用入門”読みました。
  http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/blog-entry-2572.html

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■過去参照コラム
・お金にまつわる無料セミナーと有料セミナー
  http://mbp-kyoto.com/money-2nd/column/10180/
・ファイナンシャルプランナー(FP)に相談できること。
  http://mbp-kyoto.com/money-2nd/column/6900/

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  https://mbp-kyoto.com/money-2nd/inquiry/personal/

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  http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/

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