コラム
2012-02-08
第3回 白内障と点眼薬
第3回は「白内障は点眼薬(目薬)で治るか?」について書かせて頂きます。
まず、ほとんどの白内障はいわゆる病気ではなく、老化現象の一種です。60歳代で70%、80歳代になるとほぼ100%が白内障になると言われております。
私が、「最近、見にくくなった」と言って来られた患者さんを診察し、「白内障の変化が出てますね~。」と説明すると、「え~っ!!本当ですかっ!!信じられない!!」と仰られる患者さんもおられます。
しかし、白内障を顔のしわや、白髪みたいなものと考えれば如何でしょうか?60歳代で顔のしわや白髪がない人がおられるでしょうか?
また、早ければ40歳代で白内障による視力低下の症状が出てくるかたもおられます。(10歳代~30歳代で白内障手術を受けられる方もおられますが、その場合は外傷やアトピー性皮膚炎などの合併症として白内障になられる方がほとんどです。)これも同じく老化現象である「禿げ」に例えることもあります。つまり、「禿げがど真ん中から進行すれば目立ちやすいし、周辺から進行すれば目立つようになるのは70歳代になってからです。○○さんは、たまたま水晶体の濁りが真ん中に近い所から始まったので、若いうちから、視力低下の症状が出られたのですよ。」と説明すれば納得されます。
「老化現象を薬で克服する」ということは、古くは秦の始皇帝の時代から試みられてきました。しかし、残念ながら、人類はまだそれを克服することが出来ないでいます。勿論、「白内障進行を抑制する点眼薬」というものは、現在存在しておりますが、平成15年6月24日の読売新聞で、「白内障治療において日本で一般的に使われている点眼薬投与は科学的根拠がない」との厚生労働省指針が発表されました。そして、欧米諸国では、白内障の薬物療法自体が存在しておりません。
という訳で、現時点においては、「白内障が治る点眼薬は存在せず、進行を遅らせるかもしれない点眼薬は存在する」ということになります。
「老化現象を、お薬で若返らせる」という事は、人類の見果てぬ夢であります。将来的にはそのようなお薬が出てくれば良いですね。勿論、眼科医でそのような研究をし続けておられる先生方もおられます。将来に期待しましょう!
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