コラム

 公開日: 2010-12-20 

事務所披露


京都弁護士会だけのならわしかも知れないが、若手弁護士が独立すると事務所披露の宴会を事務所で執り行い、親しい弁護士がお祝い金1万円をもってかけつけるというものである。

 最近は独立が減ったのであまり事務所披露がなく、偶々開催されても私も他の用事と重なり行けていないのでお祝いだけ持っていかせていただいている。

 私が事務所を開設した平成14年9月にも多くの先生方や関係者に来ていただいた。事務所中に入りきれず、狭い思いをしていただきながら祝っていただいたことを覚えている。
 いきなり何もないところで女性修習生につまずかれて赤ワインを新品のタイルカーペットにこぼされたり、20万円ほどするソファーにいきなりタバコの焼けこげをつけられたこともあったが(本人は未だに否認しているが犯人はN村T雄である)、事務所披露はありがたいならわしである。

 普段人付き合いをあまりしていないと、独立しても誰も祝いに来てくれず寂しい思いをすることになる。

 今後、弁護士が増えていき関係が希釈化すると、こうした祝いもなくなるのかもわからない。

 なお、世間的には、弁護士同士が知り合いであったりすると、裏取引をされたり、本気で訴訟をしてくれないのではないかと疑いをもたれる人がたまにいるが、弁護士は依頼者のためにもっともよい方法で事件を解決しようとするものであって、それは厳しい職業倫理に裏付けられているものであるから、そのような邪推は不要である(違う弁護士がいるとすれば、それはそうした弁護士が問題であって、一般的でない弁護士のために誠実に職務遂行している弁護士が疑われるというのは弁護士としては非常に困るのである)。

 弁護士は事件を引き受ける自由もあれば断る自由もあるので(これは依頼者にとっても同じで、依頼する自由もあれば依頼しない自由もあるのと同じ)、疑われながら事件を引き受けることは気分のよいものではないし、そのようなことを気にされるのであればそもそも弁護士の方も依頼を受けられないであろうから、それが気になる方は依頼の際に申し出た方がよいであろう。
 むしろ京都程度の規模であれば、知り合いでない方が少ないし、知り合いだからといって事件に手心を加えていたら弁護士としての職責を果たせない。弁護士の職責は極めて重いのである

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