コラム

 公開日: 2016-03-07 

農耕民族弁護士と狩猟民族弁護士

 弁護士を分類すると、表題のように大まかに分けられると思っている。
 顧問先が多数あるような大型事務所は除いて、中小規模の事務所と考えてもらいたい。
 農耕民族弁護士というのは、一定の割合で定期的に事件が入ってくるような経営方式をとっている事務所である。
 損害保険会社の顧問とか、金融機関の顧問など、事務所の事件の時には90%が特定の顧客であるような事務所である。
 安定しているが、災害(たとえば特定の顧問から断られるとか、顧問先から事件数を減らされるとか)があると、経営に打撃を与えられてしまう。
 実は私も14年と少し前に独立した時、大手損害保険会社の顧問の話が3件ほどあり、また、相当な売上が見込める金融会社の顧問の話もあった。
 それだけで、多分左うちわで暮らせるほどの売上が見込めたのである。

 しかし、特定の顧問先だけの仕事をするというのは性に合わないし、加害者の代理人をしたくなかったのと、損保会社の決裁を取らないとできないというシステムがイヤで、狩猟民族弁護士として生きていくことにしたのである。

 狩猟民族弁護士は、顧問はあっても(私も顧問先はあります)、そこから毎月安定的に事件が来る訳ではなく、ありていに言えば、「あるかないか分からない」という状態の弁護士である。
 ただ、特定の事件に偏りがないので、たくさんの種類の事件をこなすようになる。
 低額または定額で依頼を受ける毎月多数の事件が来る先もない代わりに、時には多額の報酬を得ることもできる。
 大間のマグロ漁師のようなところがある。
 もちろん、着手金が1万円とか、3万円という事件もざらにある。
 狩猟民族弁護士は特定の顧問から切られるというような災害に遭うことがないと思っている。
 どちらを取るかは生き方であるが、個人的には狩猟民族弁護士の方が面白いと思っている。
 いろいろな過去の依頼者から紹介を受けて、細々とやっているが、ルーティンの仕事をするのは性に合っていないところもあり、一つ一つの事件が個別具体的で、考えないといけないことも多いが、その方がやりがいもあるのである。

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