コラム

 公開日: 2016-08-18 

1日では何もできない

 長年弁護士をやっていると、「1日では何もできない」ということを痛感させられる。
 この日は空けておいてこの訴状を書こう、この準備書面を書こうなどと思っていても、書き出すと中々時間がかかり、色々と検討しなければならないことも出てきたりして、結局予定が後ろ倒しとなるというようなことになりかねないのである。
 そのため、若い頃から仕事は前倒しでやらないといけないと思っていたし、前倒しでしていると途中で突発的な急ぎの仕事(仮差押や仮処分など)が入っても対応できるということを覚えてきた。
 前倒しにするにはどうしたらいいかというと、隙間時間を大切にして、少し空いた時間で調べ物をしたり、ちょっとした連絡文を書いたり、準備書面の枠組みを考えて打ち込んだりしておくというものである。1日に隙間時間が合わせると2時間あると仮定すると、平日だけで10時間分変わってくるのである。
 長大な書面については、1日でできなかったりするので(気力が萎えてくる)、ある程度デッドラインを決めたら少しずつやり遂げるというようなことも必要である。
 結局、それでも間に合いそうもないとなると、土日を潰したり、夏期休暇を潰して書面をカキカキすることになるが、そもそも弁護士はサラリーマンではないので致し方ないところである。
 裁判所が夏休みだというと依頼者はびっくりされるが、裁判官も遊んでいる訳ではなく、真面目な裁判官は、自宅で判決を書いたりされているのである。
 ここでこれをやろうというのは中々予定通り行かないから、1日だけでは何もできないという考えで、コツコツとやるしかない。一夜漬けで書くと、たいていはアラのある書面になるし、依頼者に確認してもらうための時間も取れない。

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