コラム

 公開日: 2011-06-06 

盗人猛々しい

 事件などで依頼者の言い分を聞いていると、あまりに自分中心で身勝手なことをいう人がいる。特に刑事事件に多い。刑事弁護人は被疑者や被告人の唯一の味方であるからそうした言い分を一応聞いて諭すこともあるが、自分の考えに凝り固まった被疑者や被告人はそうした主張を変えないこともある。そうしたことによるリスクも説明するのだが、聞き入れない。

 刑事弁護人はその職責上被疑者や被告人を弁護する方向でしか活動してはならないから、どんな反吐が出るような行為をした被告人の言い分であっても、被害者を冒涜するような主張であってもしなければならないときもある。そうしなければ自らが懲戒されてしまうからである。
 私がこれまで手がけた刑事事件は殺人や傷害致死という故意犯で人が死亡したという事件はない。それは、犯罪被害者支援にかかわってきたためである。

 過去、そうした被告人の態度を注意しても聞き入れず、結果として被告人に悪い結果が出た後で、被告人が「言ってくれればよかったのに」と逆にキレられたこともある。

 私は弁護士を初めてすぐに犯罪被害者支援に関わるようになったので、深刻な被害が発生している事件については受任しないことにしている。今後も交通事故の加害者は別として、殺人や傷害致死の弁護をすることはないのではないかと思っている。被害者支援を弁護士としてのライフワークの一つにしているからである。
 こうした態度を中途半端と言われそうなところはある。犯罪被害者支援をするから刑事は一切やらないという弁護士もいるからである。
 ただ、事件というのは一方だけの事件をしているとどうしても偏りが出るので、刑事を一切辞めてしまうと被害者支援事件においても悪い影響が出るのではないかと自身で考え、刑事事件は引き受けた以上出来る限りのことはしている。被害者がいる事件もあるが、被害者に配慮した弁護活動をしようとはしている。
 裁判員裁判対象事件を引き受けると、いきおい重篤な被害が発生した事件が入ってきそうであり、困っているところである。

この記事を書いたプロ

中隆志法律事務所 [ホームページ]

弁護士 中隆志

京都府京都市中京区二条通河原町西入榎木町95-1 延寿堂第2ビル5階 [地図]
TEL:075-253-6960

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
解決の事例

1、自賠責では後遺症が非該当とされ、損害保険会社から債務不存在(要するに保険会社側から賠償金の支払義務がないことの確認をする為の裁判)訴訟を提起されたが、判決...

弁護士費用について

 マイベストプロを見られた方は、初回相談料を無料にさせていただいております。 ご予約の際にお問い合わせください。 また、当事務所の3名は、全て法テラス(...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
中隆志 なかたかし

多重債務や犯罪被害、交通事故被害に苦しむ人々を法律によって救いたい(1/3)

 「法律を知らないがために不利益を被っている人々を守りたい」。インタビューの冒頭、弁護士の中隆志さんは淡々とした口調ながらも熱い思いを語ってくれました。京都市営地下鉄「京都市役所前」駅から歩いて約5分のところに中隆志法律事務所を構える中さん...

中隆志プロに相談してみよう!

京都新聞 マイベストプロ

交通事故、離婚、遺言・相続で適切な対応は中隆志法律事務所へ。

会社名 : 中隆志法律事務所
住所 : 京都府京都市中京区二条通河原町西入榎木町95-1 延寿堂第2ビル5階 [地図]
TEL : 075-253-6960

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

075-253-6960

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

中隆志(なかたかし)

中隆志法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

前の弁護士さんを断って、本当によかったです。

 前に依頼していた弁護士さんが、全然仕事をしてくれず、依...

S
  • 60代以上/女性 
  • 参考になった数(3

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
読書日記「サザンオールスターズ1978-1985」

 新潮新書。スージー鈴木。 私自身サザンファンであり、来年サザンがデビュー40周年であるので、おさらいの...

会合の支払額の傾斜配分

 会合で、若い弁護士がいる場合、22年弁護士をしている私の場合、上の期の方で全額出して、若い弁護士には1円...

町中にて

 人のポーズというか、仕草は大事であり、スマホや携帯電話を耳にあてて話をしていると、「電話で話しをしている...

読書日記「ニホンオオカミは消えたか?」

 旬報社。宗像充。 ニホンオオカミは絶滅したというのが一般的認識であるが、生き残っているという目撃談や...

身体もフワフワだワン
イメージ

 普段は服を着ているので分からないのだが、服を脱ぐと身体もけっこうフワフワな小次郎(二代目)である。 ...

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ