コラム

 公開日: 2010-08-20 

判決の延期


裁判で判決が延期されることがある。事情はいろいろあるだろうが、裁判所の方が間に合わなくて延期されるということが最も多いと思われる。
 判決が二度延期され、こちらが一部勝訴した先物事件があったが、控訴審で判決が出た後に結局その会社は倒産してしまい、回収が一部しかはかれなかったものもある。
 早くに一審が判決を出してくれてさえいれば、倒産前に回収できた可能性もあるが、判決の遅延を理由として国賠を求めても違法性がないとして棄却されるのがおちだろう。

 こうした判決の延期、遅延は裁判官のパーソナリティーによることもあるが(要するにズボラなのである)、多くは裁判官も忙しすぎるからだと思う。200件を越える事件を抱えて判決を丹念に書こうとしても中々そうはいかないだろう。だからといって、ずさんな判決を書かれても控訴審で覆される可能性が高まり、勝訴しても安心できなくなる。やはりじっくり事件に取り組み、考えた上での丹念な判決を書いてもらいたい。敗訴した当事者にも、「ここまで丹念に書かれては致し方がない」という判決が望まれる。しかし、日々の時間に追われている現状ではそうした判決を書くことは難しいであろうし、どれだけ優秀で事務処理が早い人でも1人の人間の出来ることには限りがあるから、「判決の延期」という事態が出てきてしまうのである。判決の延期は依頼者に理解してもらうのも難しいし、家裁の審判などで、いつ出るのかわからず、2年以上放置された事件もあった(これはどう考えてもその裁判官がズボラであったのだが。後任の裁判官によって見事解決された)。

 司法改革の理念を遂行するためには、何よりもまず裁判官を大増員すべきであろうが、予算がつかないためこれが成し遂げられていないのである。弁護士ばかり増えてもそれを裁く裁判官がいないのでは、事件は停滞する。

 さらに、裁判官ばかりが増えてもだめで、それを支える書記官、事務官も増やさないといけないのである。そうすると執務スペースも増やさないといけない。
 国は本気で司法改革する気はあるのかい?といいたくなるのである。

この記事を書いたプロ

中隆志法律事務所 [ホームページ]

弁護士 中隆志

京都府京都市中京区二条通河原町西入榎木町95-1 延寿堂第2ビル5階 [地図]
TEL:075-253-6960

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
解決の事例

1、自賠責では後遺症が非該当とされ、損害保険会社から債務不存在(要するに保険会社側から賠償金の支払義務がないことの確認をする為の裁判)訴訟を提起されたが、判決...

弁護士費用について

 マイベストプロを見られた方は、初回相談料を無料にさせていただいております。 ご予約の際にお問い合わせください。 また、当事務所の3名は、全て法テラス(...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
中隆志 なかたかし

多重債務や犯罪被害、交通事故被害に苦しむ人々を法律によって救いたい(1/3)

 「法律を知らないがために不利益を被っている人々を守りたい」。インタビューの冒頭、弁護士の中隆志さんは淡々とした口調ながらも熱い思いを語ってくれました。京都市営地下鉄「京都市役所前」駅から歩いて約5分のところに中隆志法律事務所を構える中さん...

中隆志プロに相談してみよう!

京都新聞 マイベストプロ

交通事故、離婚、遺言・相続で適切な対応は中隆志法律事務所へ。

会社名 : 中隆志法律事務所
住所 : 京都府京都市中京区二条通河原町西入榎木町95-1 延寿堂第2ビル5階 [地図]
TEL : 075-253-6960

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

075-253-6960

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

中隆志(なかたかし)

中隆志法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

高次脳機能障害の父を優しく見守ってくださりました。

 信号のない交差点で自転車で横断しようとした父が自動車に...

M
  • 60代以上/男性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
万年筆考

 万年筆が好きで仕事で使っている。字はとてつもなくヘタだが。 日常使う万年筆は、スーツの胸ポケットにメモ...

読書日記「絶滅危惧種ビジネス」

 原書房。エミリー・ボイト。 量産される高級観賞魚・アロワナの闇という副題である。 アロワナは絶滅危...

老化

 年男であるが、最近老化を感じるようになっている。 美容師さんが年齢を見る時には首を見るらしいが(首の...

読書日記「兼好法師」

 中央公論新社。小川剛生。 現在知られている兼好法師の経歴は後生にねつ造されたものだとして、当時の資料か...

天井を見つめているワン
イメージ

 天井を見つめている2代目小次郎である。 たまに虫が飛んでいたりすると追いかけているので、虫を探してい...

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ