コラム

 公開日: 2010-04-24 

破産と免責


破産をしても、破産決定というものは裁判所が、「法律的にはこの人は支払不能です」という宣言をしたにとどまるので、その後に免責許可決定というものをもらわないと、法律的に破産した時に債権者にあげた債権については支払義務がなくなりません。
 免責不許可決定という決定をもらってしまうと、せっかく手間暇をかけて破産しても、結局支払義務は免れられないことになってしまうのです。
 この、免責不許可というものはどんなときに下れるかというと、浪費であったり、賭博行為が原因で負債を抱えた場合に下されます。たとえば、酒を飲みまくって借金を作ったり、風俗店で遊びまくって借金を作ったり、身分不相当な買い物をしまくった場合などに免責不許可となります。7年以内に免責を受けている場合も同じです。
 しかし、免責が許可出来ない場合でも、いろいろな事情を考慮して、裁量免責といって、裁判所の裁量により免責が許可される場合もあります。
 私は、11年間の弁護士生活で、数多くの破産事件を手がけてきましたが、まだ免責不許可決定をもらったことはありません。
 免責不許可となるような理由がある場合に、裁判所が裁量によって免責を出してくれるかどうかは、もちろんその破産者がどのような行為をしてきたかによるのはよるのですが、代理人である弁護士のがんばりによるところも大きいと思っています。
 他の弁護士から、事例研究などで、免責不許可となったケースを聞いたりしていますと、申し訳ないのですが、その弁護士のやり方がまずいと思われる事案がほとんどです。
 事件を受けた以上、その破産者のいいところを探してあげて、免責が許可されるように努力することが重要だと思いますが、代理人である弁護士の活動が不十分だと、がんばりによっては免責が取れたであろう人が、免責が許可されなかったということになりかねません。
 他の弁護士から免責が許可されないと言って断れたケースでも、私が依頼を受けて免責が許可されたケースは多くありますし、7年以内に破産して免責を受けられたケースも体験しています。
 どのようながんばりが必要かは、一言で言いがたいノウハウになってしまうのでここではなかなか書けませんが、依頼する弁護士によって、結果が変わってくるケースというのは、正直やはりあるというのが私の実感です。
 もちろん、原則免責が許可されないケースでは、基本的に借金額の5分の1を支払えば残りは支払わなくてよいという個人再生という手続きもありますが(これは免責不許可となる事実があっても関係がないので)、毎月支払っていけるという見落としが必要なので、誰しもが利用できるとは限りません。
 これから弁護士が増えると、こうした経験がない弁護士が増えていくのではなかろうかと考えると暗澹たる気持ちになります。
 もちろん、免責が許可出来ないケースで多々免責されるということになると、モラルはどうなるのだという指摘もありますが、経済的に依頼をされた人が出直し出来る可能性があるのであれば、やはり債権者の犠牲のもと、免責は許可されるべきだというのが破産法基本的考え方である以上、免責が許可されないケースに形式的に当たるからといって、諦めるのはいかがなものかと思うのです。

この記事を書いたプロ

中隆志法律事務所 [ホームページ]

弁護士 中隆志

京都府京都市中京区二条通河原町西入榎木町95-1 延寿堂第2ビル5階 [地図]
TEL:075-253-6960

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
解決の事例

1、自賠責では後遺症が非該当とされ、損害保険会社から債務不存在(要するに保険会社側から賠償金の支払義務がないことの確認をする為の裁判)訴訟を提起されたが、判決...

弁護士費用について

 マイベストプロを見られた方は、初回相談料を無料にさせていただいております。 ご予約の際にお問い合わせください。 また、当事務所の3名は、全て法テラス(...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
中隆志 なかたかし

多重債務や犯罪被害、交通事故被害に苦しむ人々を法律によって救いたい(1/3)

 「法律を知らないがために不利益を被っている人々を守りたい」。インタビューの冒頭、弁護士の中隆志さんは淡々とした口調ながらも熱い思いを語ってくれました。京都市営地下鉄「京都市役所前」駅から歩いて約5分のところに中隆志法律事務所を構える中さん...

中隆志プロに相談してみよう!

京都新聞 マイベストプロ

交通事故、離婚、遺言・相続で適切な対応は中隆志法律事務所へ。

会社名 : 中隆志法律事務所
住所 : 京都府京都市中京区二条通河原町西入榎木町95-1 延寿堂第2ビル5階 [地図]
TEL : 075-253-6960

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

075-253-6960

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

中隆志(なかたかし)

中隆志法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

暗闇に光を見いだした気持ちでした。中事務所に依頼して本当によかったです。

 高次脳機能障害を負い、これからどうしていこうか途方にく...

M
  • 60代以上/男性 
  • 参考になった数(2

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
師走

 師走に入ったが、経営者にとっては冬期賞与を支払わなければならず(思えば賞与は修習生の時の2年間と、その後...

インフルエンザの予防接種

 今年も受けたのである。 40歳を超えてから、受けないその冬は必ずかかるというジンクスがあるためである。...

新しいオモチャと寝るワン
イメージ

 新しいオモチャと寝ている小次郎(二代目)である。 初代小次郎は、オモチャを買ってあげても、気に入らない...

水あれこれ

 売っている水だが、当然のことながらみなそれぞれ味が違う。 私は「いろはす」「六甲の水」も飲むことがある...

真田紐

 真田幸村が考案したという伝承がある真田紐であるが、現在は実用に使われることが少なくなってしまったため、作...

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ