コラム

 公開日: 2010-09-03 

決めるのは依頼者である


事件について、弁護士は見通しは話をすることは出来ても、最終の決断を下すのは依頼者である。もちろん、弁護士の方がどちらの方がよいというアドバイスをすることはあるが、最終的に依頼者が決断してくれないと進められないし、また、後日のトラブルになるであろう。

 全て一任しますというのは、弁護士にとっては困るので、その都度その都度意思確認をしなければならないし、そうあるべきである。
 分からないので先生が決めて下さいといわれることもあるが、その場合でも、リスクや可能性を考えた上説明をして了解を得た上で、ベストであろうと考えられる選択をすることになる。

 成り立ての弁護士では、全て弁護士が引き受けた以上やらないといけないと考えて押しつぶされそうになっている人もいるが、基本的に事件は依頼者のものであり、弁護士は共同作業をしているということを考えないといけない。

 たまに、説明もなしに和解をされたというような相談を聞くこともあるが、話を聞くと本人は弁護士に一任しますと言っていたというようなケースがよくある。こうした場合でも、個別に了解を取らないと、後日紛争となることがありうるのである。

 刑事事件の場合には、被告人が認めていても弁護人として責任能力を争うというようなことは逆にありうるが、民事の場合は基本的には依頼者の(合理的な)意向に従うことになる。なお、当たり前であるが、刑事事件で被告人が否認しているのに認めるというようなことをすれば一発懲戒である。元検察官の弁護士が、被告人の主張が不合理であるとして説得しすぎて、公判でいきなり文句を言われたりすることもある。

 中には、絶対無理という訴訟をしたいといわれることもあるが、その場合、弁護士の方も引き受ける義務はないので、弁護士の倫理からして出来ない依頼は断ればよいということになる。

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