コラム

 公開日: 2012-08-07  最終更新日: 2013-01-10

勤労者の権利と経営者の対応 ~労働問題について~

本当に暑い中、日々お疲れ様です。
伏見の弁護士 オギ法律事務所の荻原です。

回復の兆しが見えない不景気のため
近時、労働問題に関する御相談が多く見受けられます。

特に、
(1)時間外労働に伴う残業代請求
(2)不当解雇、あるいは不当な退職勧奨・配置転換
に関する御相談が多いです。

(1)残業代(割増賃金)について

 労働者は、原則として、1日8時間、毎週40時間を超える労働を行った場合は、
 割増賃金を請求することができます。
 使用者との間で、
 割増賃金の全部または一部を支払わない、という合意があっても、無効です。

 また、タイムカードなど、
 残業(時間外労働)の事実を立証する資料が存在していない場合であっても、
 他の資料などで立証し、請求することができる場合もあります。

 多くの勤労者の方々が、残業を行っていると思われますので、
 多額の残業代(割増賃金)が発生している場合もあります。
 但し、残業代は、2年経過すると、時効により消滅してしまいます。

(2)不当解雇等について

 解雇とは、使用者が一方的に労働契約を解約することを言います。
 この解雇というのは、合理的な理由が必要とされており、
 単に「辞めさせたい」「ミスをした」「人件費をカットしたい」
 などという理由のみでは、解雇は認められません。
 判例上、多くの場合で、この合理的な理由を欠くとして、
 解雇を無効としています。

 ですので、勤労者が使用者から解雇を言い渡された場合は、
 「解雇は無効です」と主張し、勤労を継続することができる場合が多いです。

 他方、近時、解雇が認められにくいことから
 「そろそろ辞めてほしいんだけど」などと退職を促したり(退職勧奨)、
 自主退職をさせる目的で勤務を希望しない部署に
 配置転換(配転)したりする場合があります。

 このような場合であっても、勤労者は、退職勧奨は拒めます。
 また、不当な動機・目的に基づく配置転換は許されないものであり、
 拒める場合があります。

(3)経営者側の視点

 このように、勤労者の権利は、法律上保護されている場合が多いです。
 他方、経営者の側からは
 「きちんと法律を守っていたら、勤務させられないし、
  人件費がかかりすぎるから、到底、経営をやっていけない」
 という本音を聞くことも、ままあります。

 確かに、厳しい競争が要求される経済状況ですので、
 コストダウンの視点も実際には必要でしょう。

 しかし、「人は宝」であります。

 法律を遵守し、従業員の権利を擁護し、
 従業員を大切にしていくことによって、
 従業員も、経営者に「大事にされている」と感じ、
 その意気込みに応えてくれることもあると思います。

 「法律が守られないけど我慢する」という勤労者、
 「経営的に法律は守れない」という経営者が、
 できるだけ少なくなって、
 「法律の権利が守られ、経営者のために一生懸命働く勤労者」が、
 一人でも増えることを、願っております。

この記事を書いたプロ

オギ法律事務所 [ホームページ]

弁護士 荻原卓司

京都府京都市伏見区竹田久保町21-7 ビル・マルジョウ3F [地図]
TEL:075-646-1800

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