コラム

 公開日: 2013-08-17  最終更新日: 2016-11-26

【交通事故】主婦でも「休業損害・逸失利益」は認められます

オギ法律事務所の荻原です。

このコラムがとても反響が大きかったため、
2016年11月26日に少し訂正、加筆し、
併せて関連するコラムも末尾に掲載いたしました。
交通事故の問題で悩んでいる方に参考になれば幸いです。

さて、このコラムでは、交通事故の損害賠償額につき
「主婦でも『休業損害・逸失利益』が認められます」というお話を
させていただければと思います。

まず、そもそも、交通事故の被害者になり傷害を負った場合、
加害者(多くの場合は加害者の任意保険会社)に請求できる
損害の内容は、主に、次のものが挙げられます。

 □ 治療費
 □ 通院交通費
 ■ 治療中の期間の休業損害
 □ 入通院慰謝料(入院・通院の期間に基づいて認められる慰謝料です)
 ☆ 後遺障害の等級認定で、14級以上の等級が認められた場合)
  □ 後遺障害慰謝料(後遺障害の程度によって認められる慰謝料です)
  ■ 逸失利益(後遺障害の結果、将来得ることができなくなると考えられる利益です。)

これらの合計額に、過失割合(自己の過失のパーセント)を乗じ、
既払金(任意保険会社などから支払われた金額)を差し引いた金額が、
請求できる損害額となります。

このうち、■ 休業損害 と ■ 逸失利益 は
事故の被害者が主婦等の家事労働者であり、
事故前の収入が0円である場合も
認められるのです。

なぜかというと、主婦等の家事労働は立派な労働であり
その労働を行うことができないこと、または一部制限されてしまうこと
それ自体が主婦が被った「仕事ができない『損害』」に該当するからです。

このような見地から、休業損害や逸失利益が認められているため、
実際に事故後に家政婦の方などの家事の補助職を雇用したかどうかにかかわらず、
休業損害や逸失利益の請求は認められます。

では、判例上、どの程度の金額が
休業損害や逸失利益として認められるのでしょうか。

(1)休業損害について

一般的に休業損害は
【年間の基礎収入額】×実際に仕事(この場合は家事)に従事できなかった期間の日数÷年日数
の算定式で計算されます。

そして、主婦等の家事労働者の場合、
ここでいう【年間の基礎収入額】は、
賃金センサスにいう女性労働者の平均の賃金額になります。

例えば、30~34歳までの女性の方の場合、
3,582,000円、
40~44歳までの女性の方の場合、
3,935,500円になります。
(平成24年 賃金センサス)

保険会社の任意の提示額だと
主婦の休業損害は1日数千円の範囲にとどまることが多いと思われますが、
弁護士に依頼して訴訟を提起した場合、
上記の通り、休業損害は、1日当たり1万円に近い金額が
認められることが多いです。

なお、兼業主婦については、現実の収入額と女性労働者の平均賃金額の
いずれか高い方が、基礎収入額となります。

(2)逸失利益について

一般的に休業損害は
【年間の基礎収入額】
×労働能力喪失率(後遺障害の程度によって異なり、5%~100%です)
×労働能力喪失期間(原則として67歳まで)に応じたライプニッツ係数
の算定式で計算されます。

そして、主婦等の家事労働者の場合、
ここでいう【年間の基礎収入額】は、
休業損害と同じく、賃金センサスにいう女性労働者の平均の賃金額になります。

そのため、例えば、40歳の主婦の方が
後遺障害11級(例えば脊柱に変形を残すなど)の後遺障害を負ってしまった場合、
逸失利益は
3,935,500円(基礎収入額)×20%(労働能力喪失率)
×14.6430(労働能力27年に相当するライプニッツ係数)
=11,525,505円
と算定されることになります。

このように、(1)休業損害(2)逸失利益の双方においても
判例上、女性の平均賃金額を基とした損害額が認定されています。
しかし、任意保険会社は、未だに、上記の損害額を下回る損害賠償額の提示しか
行わない場合が多いです。

「あれ?休業損害や逸失利益や慰謝料、もっと多いかもしれない」
そう思われた際は、
是非、弁護士にすぐに相談されることをお勧めいたします。

資料をそろえて頂ければ、
法律上認められるであろう、損害賠償額の見込みを計算し、
お伝えすることができます。

オギ法律事務所は、一部の法律事務所と異なり、
後遺症が存在しない事案の御依頼は引き受けない、などということは決していたしません。
どんな事案であっても、依頼者のために、全力を尽くしていきたいと思います。

【関連コラム】

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