コラム

 公開日: 2012-05-11  最終更新日: 2015-08-31

ハンドメイドならではの仮縫いの着せ付けフィティング

何故!仮縫いをするか?

仮縫い着せ付け(滋賀県の中村様)
それは、「人の体は左右対称でない」からです。
全くの正体は生まれたての赤ん坊だろうと思います。
永年、人生を重ねるにつれ、生活習慣やお仕事、スポーツそして事故などで身体にゆがみが出るのは当然だと考えられます。

その差を確認する作業が「仮縫い着せ付け」です。
一般的には「仮縫い」といいます。
ハンドメイドならではの縫製工程のひとつで、もっとも「重要作業」です。

私的には、身体を8つに分けます。(前後、左右、上下、屈伸)
永年人の身体接してきた経験から、これらが重なり合ったのが人の体だと言えます。

その差が大きいか、少ないかです。
従って、身体に障がいがあってバランスが大きく変わっている方の場合も、私はいつもの仕事していると同じ感覚です。
ハンドメイドのテーラーは、皆同じ思いで仕事をしています。
鳩型メジャー
採寸にはいろいろなゲージを使って行います。
写真は、「鳩型メジャー」と言って、胸周りやアームホール、鎌深寸法そして体の前後の傾きを図ることが出来ます。

基本的には、胸囲寸法に添った割出し方法で、左右対称に製図し裁断されますが、私どもの経験則から、製図裁断の段階で、それぞれのパーツによっての差寸を付けます。

体型を意識しすぎると、却って着にくい服になりがちですので、そのバランス、ゆとり、シルエットを確認するのが「仮縫い」です。

鳩胸の人の、スーツ

鳩胸の人は胸が厚く高く反り返っているため、標準服を着ると前身頃がつかえ、ラペルや襟は上に浮き、Vゾーンが大きく開き後ろに抜けた状態になります。
フロントの前裾は重なり合って拝んだ状態になり前丈が不足します。
背中が反りかえっているため、背丈が袋状に余り、ベンツが開きます。

鳩胸の人や、ワイシャツの胸ポケットの多くの物を入れられる方には、前胸幅を大きく、ゴージーカットをして、胸の膨らみを包み込むようにします。
背中も反った部分を短くしてベンツを開かないようにします。
仮縫い着せ付け服

ポッコリお腹や猫背のマニプレーション

お腹が張り出した人には、ポケットラインで腹クセを入れて、包み込んで前裾の撥ね返りを押さえます。

猫背の人は、一見撫で肩に見えますが、実は強度のいかり肩です。
そのため、肩先でつかえ、襟が被さり、後ろ背丈がつり上り、ベンツが重なっています。

そこで、肩先をいかり肩に、前胸幅を狭く、背幅を広く、脇線から上を長くすることによってバックスタイルを自然な背中を見ることになります。
これらにまた、左右のバランスを加減してマニプレーションを行ったうえで、ゆとりを加味して裁断します。

裁断した各パーツを仕付け糸で縫い合わせて「仮縫い服」に縫い上げます。

仕付け糸

自然で真っ直ぐに目るように仮縫い着せ付け。

仮縫い服を着せ付け、左右、前後、上下、屈伸のバランスをチェックします。
洋服に余分なシワ引き攣れが無いかを調べ、ゆとりとの兼ね合いを見ながら、出来るだけ真っ直ぐに見えるように、いかに着易くするかを考えながら、その部分にピン打ちをして補正に備えます。
この作業が一番緊張する時で、ハンドメイドならでは重要な工程です。

この間、お客様にデザイン、シルエットやオプションなどを確認して仮縫い着せ付けの作業は終了します。

その後、ピンなどを打った寸法を測り、お客様のカルテに書き込み、型紙を修正したうえで仮縫いした服を解き、生地に補正線をチャコで描き直します。
キリビ付け(鳩胸)

仮縫いから縫製まで一貫作業

「情報の共有」
仮縫い着せ付け行ったテーラーが自ら、職人にお客様の体型を詳しく伝え、ダーツの量やいせ込み、追い込みのコテ(アイロン)操作も指示します。
職人は、その補正したものにキリビ付けを打ち直してから、お客様の身体を想定して、本格的に縫製に掛かることになります。

このように、お客様と最初に対面した者(テーラー)が採寸、製図、裁断をして、仮縫いでその身体の特徴を見定め、自然に真っ直ぐに見えるように調整をして、それを本縫い縫製をする職人に直接伝え、指示してこそ、お客様(ユーザー)お好み(ニーズ)に応えられます。

お客様のお好みや修正個所の大きい場合はもう一度再仮縫いすることもあります。
車椅子使用の方の場合は2度以上仮縫いするようにしています。

仮縫いをすることによって、身体になじむ、着心地よいそして、自分を主張したスーツが出来上がるのです。
ハンドメイドの流れを詳しく解説しています。

最近、一部のイージーオーダーやパターンオーダーのお店で、仮縫いを行っているところがありますが、仮縫い着せ付けをした者がその製図が理解出来ているのか?
また、その補正が縫製工場のマニュアルにどこまで対応できているかが、疑問に思っているところです。

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