コラム

 公開日: 2015-10-21 

方角と茶室の関係について にじり口/床の間/亭主口などの方角

茶室の方角と躙口

茶室は、北に床の間、南に躙口(にじりぐち)、西に水屋、東が客畳(貴人口を設ける場合もあります)─これが基本的な配置です。

躙口は、地面から高さ45~50センチほどの位置に設けます。幅は65センチ前後、高さは70センチ前後。躙口から茶室に入るには誰であれ、自然に頭を低く下げて入らなければなりません。

躙口は、社会的な地位などは捨て、ひとりの人間として茶室に入る。そして、茶室において、これもひとりの人間として客を迎えた亭主と対峙する─そうした茶の精神を、躙り入るという所作によって教えていると言われます。奥深い茶の世界への入り口、それが躙口です。

亭主のもてなしの心をあらわす床の間

茶室の床の間には掛軸と茶花が飾られます。

茶会の前、亭主は最初に床の間に飾る掛軸と茶花を決めます。そして、その掛軸と茶花を基準に茶道具類を選びます。

床の間は亭主のもてなしの心、美的センスが凝縮してあらわれる場所なのです。

茶室に入る客も必ず床の間に礼をし、それから席に着きます。亭主のもてなしの心、美的センスに敬意を払う、という意味があります。
床の間は茶室にとって最も大切な場所と言えるでしょう。

「利休百首」というものがあります。茶の精神を初心者に分かりやすく教えたものと言われますが、そのなかに「花見より帰りて人に茶の湯せば花鳥の絵も花も置くまじ」という一首があります。もてなしの心を具体的に諭した歌ですね。

茶事をイメージすること

茶道口(亭主口)は、茶室への亭主の出入り口です。

亭主の茶道口への入り方には二通りあり、一つは茶道口から点前座までまっすぐに進む「突込茶道口」。もう一つは、一度直角に折れて点前座へ進む「曲がり茶道口」です。
茶道口の形状は、小間では、方立口(ほたてぐち)、火灯口(かとうぐち)などがあります。

亭主口だけでなく、手伝いをする人が出にくい席には給仕口が設けられます。懐石を出す場合など点前以外で客座に入るとき、水屋から客座へ通える出入り口です。

ところで、亭主の手伝いをする人を「半東」と言います。中国の故事では、客は西、主は東につくことから亭主を東(とう)と呼びますが、古い茶の本に「半東と云うはただ庵の俗語なるべし、半亭主と云心也」とあるそうです。茶室をつくるにあたっては、もてなす亭主側の動きを考え、茶事をイメージしながら進めることが大切です。

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