コラム

 公開日: 2016-02-23 

築後20年のオフィスビルの共有部分を快適な空間へと改修

オフィスビルに求められるものとは

オフィスビルとは、その名の通り、オフィス=事務所を主な用途として建てられたビルです。日本の街に「ビル」が建ち始めたのは、高度経済成長期(1955~1973年)の頃。好景気を背景に街にビルが林立するようになります。

オフィス街の地価は高騰し、限られた敷地で総床面積を確保するためにビルの高層化が進みました。それに伴い工法上の技術は飛躍的に向上したと言えますが、オフィスビルに求められるもの自体は大きな変化を見ないままだったのではないでしょうか。

極端に言えば、「執務に必要な床面積と設備」─これがオフィスビルに求められていたすべてと言えそうです。しかし、オフィスビルに求められるものはそれだけでしょうか。

安らぎのあるオフィス共用空間の創生

京都室町にある「高橋第六ビル」のリニューアルの事例をご紹介したいとおもいます。

築後20年を経過した7階建てのオフィスビルです。竣工後、補修が必要になる度に、工務店によってメンテナンスが行われていました。
しかし、それは「執務に必要な床面積と設備」のみを念頭に行われており、「快適な空間」という観点は見られませんでした。

その結果、どこか殺伐とした雰囲気が感じられました。今回、ビルの共用部分の改修を行うにあたっては、この殺伐とした雰囲気を払拭し、来る人をもてなしの心で迎える空間の再生を念頭におきました。

エレベーターホールの天井を折り上げ、空間に華やいだアクセントをつけるとともに、共用部分の基調色にブラウン系を採用。さらに照明計画にも工夫を凝らし、共用部分全体に統一感をもたらし、それまでにない安らぎの空間を創り出しました。

オフィスビル・リニューアルの意味

オフィスビルの内装・照明・サインなどを変えることで得られるものは何でしょう?

まず、それらは視覚的に分かりやすく、ビルに新しいイメージをもたらします。特にエントランスやエレベーターホールなど共用部分のリニューアルは、ビルのオーナーにとってはビルの魅力と質の向上、そこで働く人々にはビルのステイタスを感じさせるなどの効果を生みます。

オフィスビルにおける執務形態は、今後、速度を増して変化していくことが予想されます。その変化にいかに対応するか、そして、それと共に「快適な執務空間とはなにか」をあらためて考えてみる必要性を感じます。

この記事を書いたプロ

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一級建築士 野村正樹

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