コラム

 公開日: 2013-04-15  最終更新日: 2014-07-03

糺の森の式年遷宮

 京都市左京区にある下鴨神社(賀茂御祖神社)。境内のご神域に広がる「糺(ただす)の森」は、約3万6000坪もあり、その広さは東京ドームの約3倍にも及 ぶ。平安京遷都以前の原始の森は、平成の現在まで受け継がれ、源氏物語や枕草子といった多くの文学作品にも数多く登場している。平成 6(1994)年にはユネスコの世界文化遺産にも登録されており、現在、国宝の東西本殿をはじめ、50棟を超える建造物が重要文化財に指定されている。

 「糺の森」にお祀(まつ)りされる下鴨神社では、昨年より、21年に一度の式年遷宮が行われている。今年、平成25年の 3月20日には神様がご本殿から仮殿 へお遷(うつ)りになる祭儀である「仮殿遷宮」が斎行された。式年遷宮とは、神様にお遷りいただく神社で最も重要な祭儀であり、 定められた年限に社殿を新しくすることである。今年は伊勢神宮(20年ごと)や出雲大社(60年ごと)においても式年遷宮が行われている。

 今回で34回目を迎えることとなった、下鴨神社における式年遷宮の制度は、平安時代の天喜4(1056)年よりはじまり、途中、中世の戦乱 などで遅滞することはあったものの、約1000年にわたり脈々と斎行されている。江戸時代まではご本殿以下全ての社殿を21年ごとに造り替えていた のであるが、現在は東西本殿をはじめ多くの社殿が、国宝・重要文化財に指定されているため、大修理を行うかたちとなって引き継がれている。

 21年ごとに人から人へ受け継がれていく伝統と技術。私たちもまた自然の摂理により、新しい命を祖先、先人から連綿と引き継いでいる。 太古の時代よりある糺の森。「式年遷宮」もまたそのような命の流れのなかにあるのではないだろうか。


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