コラム

2011-06-13

労働契約 最終回 ~働くこと、雇うことに、“契約書”ってどういうこと!?~

第5回のつづき
第5回URL http://mbp-kyoto.com/samuraigs/column/2772

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 またまた例題を挙げてみましょう。
ある高校生F君(17歳)が、不用になったDSソフトを「売り」に行きましたが、
そこには「保護者の同意」欄があります。
 また、ある会社にアルバイトをしたい高校生のGさん(18歳)が、
会社側から提示された労働契約書にも同じく「保護者の同意」欄があります。
これは、20歳未満の者は、制限行為能力者という立場にあり、
その保護者である者の同意が必要となります。

 未成年者をアルバイトとして雇うには、本来親の同意がなければならないので、
こうした保護者の同意欄を付け加える必要があることに注意が必要です。
 制限行為能力者とは、未成年者のほか、重度の認知症を患った場合などの、
成年被後見人、被保佐人、被補助人をいいます。
(*保護者の同意がなければ、法律行為ができません。)


 次に労働契約書を作成するにあたり、特に重要となる部分を抜粋してみますね。
以下の条項は特に大切です。
★ 重要箇所
有給休暇・休憩時間・労働時間・解雇・休日・休憩・残業
・労働基準法26条(休業手当)・36条(36協定)

 これらはあくまでも一般的な事項ですが、会社の業種によって、その内容はさまざまです。よくネットから、契約書や就業規則の雛型をダウンロードして使用している
事業主さんをお見受けしますが、はやり業種によって中身を変えることは重要です。
現在多く出回っている雛型は、中規模製造業を前提としているのでは?と
思うことがしばしばあります。

 昔と比べて、現在の日本の産業構造が大きく変化しており、
公共事業を基幹とした時代から、製造業を中心とした輸出産業にシフトしています。
労働基準法が成立した当時の時代背景は、戦後日本の復興時期から高度経済成長期です。
労働基準法の中には、今では殆ど目にすることがなくなった
「炭鉱労働」をイメージした条文も存在するほどです。

 こうした中身を踏まえ、自社の実情にあったように作り直す手間は必要となるでしょう。
24時間稼動する工場での、3交代制勤務がある中規模製造業と、
たとえば介護事業所では、その労働の中身は全く異なります。
介護事業には介護事業特有の、飲食店には飲食店特有の、
運送業には運送業の特色があるように、
どの業種にもそれぞれ特色がありますので、
それらを踏まえることが肝要なのでは!?と思います。

 今回のコラムでは、単に労働契約書の雛型をダウンロードして、
その中身を埋めるのではなく、根拠となる法令を理解し、
その法令は何を求めているのか、
どのような規制がその後ろに隠れているのかなどを考えていくことが、
本来の趣旨だと思います。

 そのようにしてできた契約書は、
会社自身がその内容を良く把握しているものであるため、
例えば、対労働基準監督署の調査であったり、
介護事業では介護指導課による監査にも、力を発揮すると思います。

 最後となりましたが、しっかりとした契約書を作成しておくことは、
将来何かしらの助成金申請をするうえでも、重要な要素となるほか、
やはり労使トラブルを未然に防止するための重要な位置づけにあります。
しっかりとした中身の濃い契約書をぜひ作成してください。

ご購読、有り難うございました。
社会保険労務士・行政書士・メンタルヘルスアドバイザー
たちばな総合法務事務所 代表 橘 太一

参考:第5回より
 労働基準法ではどのような条項を交えた書面による条件提示を求めているのでしょうか?
ご参考までに、以下がその雛型です。(労働基準法施行規則第5条)
・労働契約の期間に関する事項
・就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
・始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無
・休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
・賃金(退職手当などは除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
・退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
・退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
・臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び最低賃金額に関する事項
・労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
・安全及び衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
・表彰及び制裁に関する事項
・休職に関する事項

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お気軽にお問い合わせください。

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橘 太一(たちばな たいち)
社会保険労務士・行政書士

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第1回コラムURL  http://mbp-kyoto.com/samuraigs/column/2606
第2回コラムURL  http://mbp-kyoto.com/samuraigs/column/2666
第3回コラムURL  http://mbp-kyoto.com/samuraigs/column/2673
第4回コラムURL  http://mbp-kyoto.com/samuraigs/column/2679
第5回コラムURL  http://mbp-kyoto.com/samuraigs/column/2772

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