コラム

 公開日: 2011-12-07  最終更新日: 2012-02-25

教科書が変わります-1-

1.中1~3年総授業時数の変遷  

※中学学習指導要領実施年度別 中学1~3年主要5教科総授業時数 
1962年度~1971年度・・・2065時数

1972年度~1980年度・・・2240時数 ※昭和の高度成長時代 

1981年度~1992年度・・・1925時数 この時代は公立・私立で学習量・内容の差異はありません

1993年度~2001年度・・・1925時数 ※1980年代からはゆとり路線が施されたました

2002年度~2011年度・・・1565時数 

2012年度~     ・・・1925時数

*ポイント:※学習指導要領はその時代の民意・世論を反映して育まれるものです

その1.
10年に一度改訂される指導要領上一番授業時数が多かったのは1972年~1980年でした。 
1981年度からはゆとりの方向へ一気に加速されました 2002年度からはゆとりの極致の授業時数となっています

その2.
新指導要領では1981~2001年度の時数に戻りますが この時代は学校週5日制ではありませんでした。土曜休み(週5日制)は1992年10月~月1回土曜休み 1995年4月~月2回土曜休み(第2・3)
と段階的に導入され 完全に土曜休み(週5日制)が導入されたのは2002年度からです
週5日制の下での授業時数の増加は生徒児童・教師の負担増をおこし 学習指導に支障が生じます

2.学習項目・内容の増加 ※活用的学習(言語活動)への取り組み   

①2002年度から3割削減された数学・理科教科の学習内容の復活と理数教科以外英語・国語・社会においても学習内容が増加します。

・数学・理科では2002年度~削除された(高校へ移行)学習内容が約70%~80%復活します

・国語・社会・英語 文系の教科でも学習内容が増加 難易度が上がります
   
   国語:近代文学の復活・言語活動の重視・古文の取扱いを重視(伝統文化)
    
   社会:地理学習 ・全世界を6地域に分けて学習
           (アジア・ヨーロッパ・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・オセアニア)
           ・日本全国を7地方に分けて学習
           (九州・中国/四国・近畿・中部・関東・東北・北海道)
      歴史学習 ・伝統文化 宗教について学習深度が深くなります
   
   英語:“聞く”“話す”“”読む“書く”4技能をバランスよく学習します
     
     ・現行教科書では“聞く”“話す”に力点が置かれていました。
     
     ・新教科書では文法・長文読解といった内容も追加されます。
     
     ・単語についても語彙数が1200語程度と学習内容が増加しています
     ・“読む”“書く”といった技能にも学習目標が置かれることとなりま               
     全体としてより高度なスキルが求められることとなります

②『活用的学習』への取り組みの教科              

  ・新学習指導要領のテーマ『生きる力』とは…

    基礎的な知識・技能を習得し それらを実生活の場面に活用する力のことを言います

  ・基礎基本的な知識技能の習得と思考力・判断力・表現力の育成が求められます

  ・全国学力学習状況調査のB問題 PISA(OECD:経済協力開発機構)の学力調査で問われる
   活用型の問題を解く力、すなわち 応用力・活用的能力 そして表現力が新たな学力として求   められることとなります

③学校教育はどうなるのか…

・授業時数の増加に加え学習項目の増加についていけない生徒児童が今以上に増えま。。

・かつて“詰め込み教育”と揶揄された状況を繰り返すこととなりそうです


3.学習指導要領中の『はどめ規定』の廃止            

①学習指導要領の定義の変更が行われました
  
  ・学習指導要領上の表現での『はどめ規定』が全て削除されました
 
  ・『はどめ規定』とは…
   
     “~は扱わない”“理解の段階にとどめる”“~深入りしない”といった文言で
      学習基準を限定する規定…これが削除されました

  ・これまで学習における『最高基準』であった指導要領が
  『最低基準(ミニマムスタンダード)』と  位置付けられました
   今後 学習の基準は各都道府県・各自治体そして各学校に委ねられることとなります

②“平等教育”から“競争”へ 教育の価値観が変動
  ・公教育における“平等教育”の考え方が否定され出来る生徒にはもっと高度な学習を施すこと   が許容される謂わば“競争教育”が肯定されたといえます

  ・教育における“規制緩和”“自由化”が推進されることとなりました

③学習指導要領は時代時代の世論を背景に登場する?

  ・以前 “落ちこぼれ”という学校教育を揶揄する言葉はもはや死語となり
   
   むしろ生徒の“自己責任”が問われる時代となりました。

  ・学習指導要領は“その時代の民意・世論を反映して育まれるもの…”と定義しましたが
   
   1990年代半ば “学級崩壊”“校内暴力”“サカキバラ事件(1997年神戸)”など様々な
   生徒児童の社会的問題からもっとゆとりを…といった教育路線が提唱され現行学習指導要領が   告示されたわけです。時代が、世論が180度転換された上での新学習指導要領の登場というこ   とが出来ます

以上3つの新学習指導要領のポイントを背景に2012年春から新しい中学教科書が登場することとなります。
次回は各教科ごとに詳しく述べます。

この記事を書いたプロ

SDC安田塾 [ホームページ]

塾講師 安田英二

京都府長岡京市神足3-15-2 [地図]
TEL:075-956-4919

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
塾長の独り言

明日はいよいよ公立中期の試験日です。今まで培ってきた力を存分に発揮してください。受験生の頑張りを期待します。問題はその結果です。3月16日が発表日。桜が咲...

 
このプロの紹介記事
SDC安田塾 代表の安田英二さん

「平成の寺子屋」SDC安田塾 勉強する人を応援します (1/3)

 平成の寺子屋を目指す「SDC安田塾」は、代表であり教師を勤める安田英二さんの自宅2階にあります。机6席のわずかな空間にはカブトムシが入った飼育ケース、子どもたちが作成した理科の教材があちこちに……。どこか温かみのある風景です。 まず入塾...

安田英二プロに相談してみよう!

京都新聞 マイベストプロ

単なる補習塾、進学塾でもない12年の人間塾を目指します

店名 : SDC安田塾
住所 : 京都府長岡京市神足3-15-2 [地図]
TEL : 075-956-4919

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

075-956-4919

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

安田英二(やすだえいじ)

SDC安田塾

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
通信高校から大学進学へ
イメージ

先日うれしい知らせが届きました。塾生の大学合格通知です。彼は発達障害があり、小中学校と支援学級...

[ 塾生たちの頑張り ]

今の子供達に身につけてもらいたいもの

今日、正確には昨日ですが英検を実施しました。我がSDC安田塾では、漢検・英検・数検の受検を条件としています。...

[ 子供たちの将来を考える ]

夏休みも前半を終了しました。
イメージ

今日で7月も終わります。夏休みも前半が終了です。SDC安田塾では、7月中に学校の宿題を終えるようにし...

[ 塾生たちの頑張り ]

SDC安田塾の幼児教室
イメージ

先日、気になる記事を見つけました。3歳児から5歳児でひも結びの苦手な子、お箸がしっかり持てない子の割合...

[ 子供たちの将来を考える ]

2016KYOTO私立中学フェア開催です
イメージ

恒例の 2016KYOTO私立中学フェアが 下記予定で開催されます。私立中学への進学を考えておられる方はぜ...

[ 2016年に向けて ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ