コラム

 公開日: 2017-05-24 

労働条件の通知

労働者を雇用したときは、書面で労働条件を通知する必要があります。
雇用契約書でも構いませんし、雇用通知書でも構いません。
この2つの違いは、雇用契約者は当然契約書ですから、労使双方が署名や押印等をして、1部ずつ所有することになります。対して、雇用通知書は事業主から労働者への通知となりますので、労働者側の署名や押印等は必要ありません。

私たちの場合は、個々のケース等を見ながら使い分けをします。
例えば「言った!言わない!」といったトラブルの事前防止や、業績不振、職種変更その他やむを得ない事由による労働条件等の引下げなどがあった場合は、労働契約書を締結された方が良いでしょう。

では労働条件を通知するタイミングです。
まず、採用時には、従業員に次の事項を書面によって明示しなければならないとされています。
 ① 従業員との労働契約期間はいつまでか
   (試用期間がある場合はその旨も)
 ② 期間の定めがある労働契約については更新する場合の決まり
 ③ 仕事をする場所及び仕事の内容
 ④ 働く時間や休日の取決め
   (仕事の始業・終業の時刻、残業はあるのか、休憩の時間、休日、休暇等)
 ⑤ 給料はどのように支払うのか
   (月給又は時間給であるのか、締日や支払日、支払う方法)
 ⑥ 退職するときの決まり
   (解雇の事由を含みます)

この場合注意することは、求人募集時に提示していた給料等の条件を変更することです。最近こういった労使間トラブルが増えています。原則的には募集時の条件を適用すべきですが、会社の諸事情や当人のスキル等に応じて変更する必要があるときは、その趣旨を説明し労働条件を書面に明記しましょう。曖昧にしておくとトラブルの元になります。
パートといった短時間労働の方を採用するときも、条件を書面で明示する必要があります。

次に、試用期間設定上の注意点です。
労働契約期間の定めのない正社員については、試用期間を設けることが一般的です。

 「試用期間とは・・・
  長期雇用を前提として採用される正社員の場合に、あらかじめ人材の適正度合いを確かめるための期間として本採用を控えるもの」

雇用契約書を作成する際に、試用期間がいつまであり、本採用の基準がどうなっているのか説明が必要です。一般的には3ヵ月で、判例に照らしてみると長くても6ヵ月程度といったところです。したがって合理的な理由もなく試用期間を長く設定した場合には無効になる可能性もありますので、その点を注意して設定する必要があります。
また、試用期間を延長する実例もあります。その場合は、事前に雇用契約書において、出勤状況や勤務態度によっては、試用期間を延長する可能性がある。という事を明記しておきましょう。

最後に補足ですが、採用後の提出書類をあらかじめ決めておく必要があるでしょう。
後から…と思っていると、「もらえないまま退職してしまった」と言ったケースも多々見受けられます。
 ① 誓約書(個人情報に関する誓約書等を含む)
 ② 身元保証書
 ③ 住民票記載事項証明書
 ④ 扶養控除申告書および扶養家族届
 ⑤ 源泉徴収票(前職がある場合)
 ⑤ 通勤経路図
 ⑥ 年金手帳(社会保険に加入する場合)
 ⑦ 雇用保険被保険者証(雇用保険に加入する場合)
 ⑧ マイナンバー(個人番号の写し)
 ⑨ その他会社に応じて必要なもの(各種資格証明書など)

以上のような書類を会社の状況に応じてリスト化し、従業員に提出してもらいましょう。特に、会社の決まりごとや規則を守ってもらうことを確認させる誓約書や重大な損害を会社に与えた場合に、保証人と連帯して賠償を求める事ができる身元保証書については、徹底する必要がります。

又、マイナンバーは、現在、雇用保険の手続きや扶養控除申告書に記載する必要があるものですが、注意点としては、取得に当たって利用目的(雇用保険の手続きで利用しますなど)を明示することと、本人確認をする必要があり、また取得後は厳重な管理が必要になりますのでご注意ください。

書面作成や採用後の準備物は手間がかかるという側面もありますが、疎かにしておくと後々従業員との間で思わぬトラブルに発展する可能性もあります。しっかりと準備を整えておくことが、会社を守るすべにもなります。

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