コラム

 公開日: 2017-03-21 

京町家の耐震と京都市の取り組み

京町家に適した耐震診断とは

京町家は構造上、壁は土壁で、壁に通し貫があり、柱は石場建てになっているといった特徴があります。

それは柔らかさと粘り強さで地震に耐える柔構造で、硬さと強さで地震に耐える剛構造である在来工法の建築物とは全く違う構造です。そして主に昭和26年以降に建てられた在来工法の建築物に対して、京町家は主に建築基準法が定められる昭和25年以前に建てられた古い建築物です。

建てられた時期や技術も異なり、また根本的に構造が違うのですから、同じ基準で耐震診断をすることはできません。つまり、在来工法とは違う、京町家の特徴に適した耐震診断や改修が必要となるのです。

在来工法の建物は、壁の量で耐震性を判断する一般診断法で耐震診断をしますが、京町家の場合は、建物の変形性能で耐震性を判断する限界耐力計算法を京都市では推奨しています。そして京都市では、この方法を活用した京町家向けの耐震診断を実施しています。

京都に生じる地震の被害

京都でも震度7の地震が起こると予測されています。阪神・淡路大震災では、地震発生とほぼ同時に住宅が倒壊し、その下敷きとなって多くの人の命が失われました。

倒壊した住宅の多くは、耐震性が低い住宅でした。生命と財産を守るためにも、住宅の耐震性を高めることは必須です。住宅の耐震性を高めることで、地震被害を大きく減らすことができるのです。

京都市による、耐震診断士派遣制度を活用する

京都市では、京町家に関する一般的な相談や、耐震診断士派遣の受付窓口を設けており、建物に適した耐震診断方法を相談の上、診断を依頼することができます。

耐震診断士派遣制度を利用して、もし耐震性が低いと判断された場合は、耐震改修工事を行います。その際、京都市には耐震改修工事に関わる助成金や融資の制度もありますので、それらの制度を利用することもできます。

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